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McDSPの「APB-8 / APB-16 Analog Processing Box」を紹介します。メーカーと国内代理店の公式情報をもとに、何ができる製品か、どう使うか、どんな人に向くかをまとめました(点数評価は付けていません)。
Each APB audio channel can be controlled by an AAX, AU, or VST3 plug-in on a wide variety of DAWs. Real analog circuits, recalled instantly with your session or a preset.
—— McDSP公式サイトより(原文)
APB-8 / APB-16 Analog Processing Boxはどんな製品?
APB-8 と APB-16 は、McDSP が作るアナログ処理のハードウェアです。プラグインではなく、実際のアナログ回路を内蔵した箱で、DAW上のプラグインから回路の設定を操作する「プログラマブル・アナログ」という仕組みになっています。チャンネル数は APB-8 が8、APB-16 が16です。
使い方は、DAWのトラックに APB 用プラグインを挿して使います。音声と制御信号がThunderboltで箱へ送られ、アナログ回路で処理された音が再びDAWへ戻ります。セッションを開き直せば設定が自動で再現され、パラメーターはサンプル単位の精度でオートメーションできると公式に説明されています。
本体を買うと、コンプレッサー、EQ、リミッター、マルチバンド・コンプ、ミキサー、テープ処理などの APB 用プラグインが付いてきます。公式サイトの紹介では、DC-2、TAPE、BOB、KD1、Royal Mu、Royal Q、MC-3、Moo X、C673-A、EL MOO、MooTube、ChickenHead、L-18、C-18 などが並んでいます。
プラグインは AAX、AU、VST3 で動くため、Pro Tools のほか Logic、Cubase、Nuendo、Ableton Live、LUNA などでも使えます。ただし対応OSはmacOSのみで、Windowsは対象外です。国内の取り扱いは Media Integration です。
プラグインで操作する本物のアナログ回路
各チャンネルのアナログ部品の設定を、DAW上のプラグインから制御します。つまみを手で動かす機材と違い、保存したプリセットやセッションの内容が毎回同じように再現されるため、アナログの質感を使いつつデジタルの作業手順を保ちたいときに役立つかもしれません。
サンプル精度のオートメーション
制御信号は音声と同期されて箱に送られるため、パラメーターの動きをサンプル単位の精度で記録できると公式に説明されています。コンプのスレッショルドを曲の展開に合わせて動かすといった使い方ができるかもしれません。
豊富なAPB用プラグイン
コンプ、EQ、リミッター、マルチバンド、ミキサー、テープなどのプラグインが付属し、購入後の登録で追加ぶんも受け取れます。ただし本体の箱に入っている認証コードでは、はじめの6種が使えます。
8ch / 16ch の2モデル
APB-16 は最大で16本のモノ、または8本のステレオのAPBプラグインを同時に走らせることができます。プラグインによっては複数チャンネルを使うため、取扱説明書で確認する必要があります。
デジタルでクリップしない出力
3種類のサチュレーション回路が0dBを超えないよう調整されているため、アナログ出力がデジタルでクリップすることはないと公式FAQに書かれています。ゲイン管理を気にしすぎずにサチュレーションを試せるかもしれません。
低レイテンシーモード
Pro Tools 2023.12以降では、APB用プラグインを低レイテンシーモードで使えます。最小バッファーでは207サンプル(44.1kHzで約4.6ms)まで短縮できると公式に説明されています。
デイジーチェーン接続
APB-16 は、Thunderboltのポートで複数台をつなぐことができ、ワードクロックも順につなぎます。ミックス用に台数を増やしたいときに拡張できます。
仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| チャンネル数 | APB-8:8ch / APB-16:16ch |
| 接続 | Thunderbolt 2、3、4に対応 |
| コンバーター | AKM 32ビット DAC / ADC |
| 対応サンプリング周波数 | 44.1 / 48 / 88.2 / 96 / 176.4 / 192kHz |
| プラグイン形式 | AAX / AU / VST3 |
| 対応OS | macOS 12 Monterey 〜 26 Tahoe(Windows非対応) |
| ライセンス | iLok2 / iLok3、またはiLok Cloudセッション |
| 同期 | APB-16はワードクロック入力が必要 |
| 製造 | 米国 |
入っているもの・動作環境
- APB-8 または APB-16 本体
- APB用プラグイン(認証コードではじめの6種。登録後に追加ぶん)
- 電源
- 製品登録カード
- 現在、APB購入特典として Everything Pack(v7のプラグイン全種)が付く期間限定オファーあり(公式表示)
- Thunderboltケーブルは付属品として明記されておらず、別途用意が必要な可能性がある
使い方
- パソコンを終了し、APB-16の電源ボタンが切れているのを確認します。
- APB本体に電源をつなぎます。
- オーディオインターフェースのワードクロック出力を、APB-16のワードクロック入力につなぎます(最後の1台は75Ωボタンを押す)。
- ThunderboltでパソコンまたはインターフェースとAPBをつなぎます。
- 本体を登録し、最新のAPBドライバーとプラグインをダウンロードしてインストールします。
- 再起動後、DAWを開き、トラックにAPBプラグインを挿します。
- 必要に応じてプリセットを保存し、オートメーションを描きます。
ミックスにアナログの質感を足す
トラックごと、またはバスにAPBプラグインを挿して、サチュレーションやコンプをアナログ回路で処理できるかもしれません。
セッションの再現性が必要な制作
複数の現場で作業を引き継ぐときも、プリセットで同じ設定を呼び戻せるかもしれません。
サラウンド・イマーシブのミックス
Royal MuやL-18にはサラウンド版があり、7.1.4などのフォーマットに対応します。
マスタリング
L-18などのリミッターやMC-3のマルチバンドを、アナログで処理する選択肢になるかもしれません。
こんな人におすすめ
- アナログ機材の質感とDAWの再現性を両立させたい人
- Pro Tools、Logic、Cubaseなどmacのシステムで制作している人
- 多くのチャンネルにまとめてアナログ処理をかけたいミックスエンジニア
- サラウンド・イマーシブの制作でアナログ処理を使いたい人
使う前に知っておきたい点
- Windowsには対応していません。対応OSはmacOSです。
- プラグインの認証にはiLokのUSBキー、またはiLokアカウントとiLok Cloudが必要です。
- アナログ処理のため、オフライン処理(AudioSuite)やトラックのフリーズはできず、バウンスやコミットで書き出します。
- メーカーによると、保証を有効にするには正規ディーラーでの購入が必要です。国内の取り扱いは Media Integration です。
- APB-16 はワードクロックの接続が必要です。
似た製品との違い
どちらがよいかは決めず、公式ページの数字を並べています。
APB-8 と APB-16
APB-16 は16チャンネルで、最大16本のモノまたは8本のステレオのAPBプラグインを走らせられると公式FAQにあります。APB-8 は同じ機能の8チャンネル版です。
価格
価格は、公式ページでご確認ください。
価格は正規ディーラー経由で、公式サイトには掲載がありません。

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