Synchro Artsの「RePitch」は、DAWの中で歌の音程とタイミングを直すピッチ補正プラグインです。ElementsとStandardの2つのエディションがあります。この記事では、2つのエディションの違いを、ピッチ補正プラグイン15製品と同じ基準で比べています。根拠はメーカー公式の情報です。
※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。価格・セールの情報は記事の確認日時点のもので、変動する場合があります。
結論:目的別にどれを選ぶか
- RePitch Elements(ランクC):手ごろな価格で、グラフ編集型のピッチ補正を始めたい人。
- RePitch Standard(ランクA):メインとハモリなど複数のボーカルを並べて、ピッチとタイミングを細かくそろえたい人。
2つのエディションの中でいちばん点数が高いのはRePitch Standard(ランクA・平均3.4点)です。ただし、使わない機能のために上のエディションを買う必要はありません。自分の目的に合うものを選んでください。
RePitchの主な特徴
必要な時だけ処理する、自然なボーカル補正
RePitchは、ボーカルの音程・タイミング・ビブラートを画面で直すピッチ補正プラグインです(最新版はRePitch 2)。公式ページでは、30年以上の開発にもとづく処理で、とても自然な仕上がりになることを特長にしています。ノートのブロックを動かして直す、Melodyneと同じ「録ったあとに直す」タイプです。
手早く直すマクロと、音程をノートの中心にそろえるツール
両方のエディションに、まとめて補正するチューニング用のマクロと、ノートの音程を中心にそろえるCenter Notesツール、複数の範囲をまとめて編集するモード、タイミングを直す機能があります。対応するDAWではARA2で直接つながります。細かい操作をしなくても、基本の補正を短い時間で済ませられます。
複数のテイクを並べて編集できる(Standard)
Standardでは、複数のボーカルのテイクを1つの画面に並べて編集できます(Multi-track Editing)。さらに、歌の出だしを見つけて小節や拍、または別のトラックに合わせてタイミングをそろえるSmartAttackもあります。メインとハモリのタイミングをそろえる作業に向いています。
ピッチの形を描いて整える(Standard)
Standardには、音程の流れ(ピッチカーブ)の形を整えるShaperツールと、自由に描けるDrawツール、声質を変えるフォルマントシフトもあります。しゃくりやビブラートの形まで作り込みたいときに使えます。
こんな場面で役立ちます
- 歌のずれた音程やタイミングを、画面でノートを動かして直す
- メインボーカルとハモリのタイミングを並べてそろえる(Standard)
- しゃくりやビブラートの形を描いて整える(Standard)
エディションの違い(一覧表)
| エディション | ランク | 自然な仕上がり | 手早さ | リアルタイム補正 | ハモリ・複数トラック |
|---|---|---|---|---|---|
| RePitch Elements | C(2.4) | ピッチとタイミング | マクロ+ARA | なし | 単音1本ずつ |
| RePitch Standard | A(3.4) | 形・フォルマント | マクロ+ARA | なし | 複数トラック |
エディションごとの評価
RePitch Elements(ランクC)
ボーカルのピッチとタイミングを手早く直すための、RePitchの機能をしぼったエディションです。チューニング用のマクロ、複数リージョンの編集、ノートの中心に音程をそろえるCenter Notesツール、ARA2に対応しています。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 自然さ
- ピッチとタイミング
- リアルタイム
- なし
- ハモリ・複数
- 単音1本ずつ
- 価格(店・確認日)
- $69 [公式・10月26日確認]
画像:Synchro Arts公式サイトの製品画像より
- 自然な仕上がり:3点 — ノートごとにピッチとタイミングを直せます。フォルマントやピッチの形を整えるツールはStandardのみです。
- 手早さ:4点 — チューニング用のマクロとARA2があります。
- リアルタイム補正:1点 — 録音したあとに画面で直すタイプで、リアルタイムの自動補正はありません。
- ハモリ・複数トラック:1点 — 複数トラックの同時編集はStandardのみです。
RePitch Standard(ランクA)
Elementsの機能に加えて、複数トラックを並べて編集するMulti-track Editing、タイミングを自動でそろえるSmartAttack、ピッチの形を整えるShaper・Drawツール、フォルマントシフトなどを備えたエディションです。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 自然さ
- 形・フォルマント
- リアルタイム
- なし
- ハモリ・複数
- 複数トラック
- 価格(店・確認日)
- $149 [公式・10月26日確認]
画像:Synchro Arts公式サイトの製品画像より
- 自然な仕上がり:4点 — ShaperとDrawツールでピッチの形を整えられ、フォルマントシフトもあります。
- 手早さ:4点 — チューニング用マクロ・ARA2に加えて、タイミングを自動でそろえるSmartAttackがあります。
- リアルタイム補正:1点 — 録音したあとに画面で直すタイプで、リアルタイムの自動補正はありません。
- ハモリ・複数トラック:4点 — 複数のボーカルトラックを並べて編集できます。和音の編集はありません。
上の図はRePitch Standardの点数です。
点数の付け方(ピッチ補正プラグイン)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自然な仕上がり | 歌を自然に直すための調整の細かさ | ノートごとに揺れ・ビブラート・フォルマント・歯擦音まで整えられる | ノートごとにビブラートやフォルマントを整えられる | ノートごとにピッチとタイミングを直せる | 自動補正のかかり具合(速さなど)で調整できる | 自動補正のみで、自然さの調整手段の説明がない |
| 手早さ | 直す作業を速くする仕組み | 自動マクロ・ARA・キーやコードの検出がそろっている | 自動補正(マクロ)とARAがある | 自動補正かARAのどちらかがある | 手作業が中心 | — |
| リアルタイム補正 | 配信・かけ録りでの使いやすさ | 1ms未満などの超低遅延モードとMIDIでの音程指定がある | 低遅延のリアルタイム補正とMIDIでの音程指定がある | 低遅延のリアルタイム補正がある | リアルタイム補正はあるが低遅延の記載がない | リアルタイム補正がない(録音後に直すタイプ) |
| ハモリ・複数トラック | ハモリやコーラスの扱いやすさ | 複数トラックを並べて編集でき、和音の中の音も直せる | 複数トラックを並べて編集できる、またはハモリを自動で作れる | 和音の中の音を直せる(1トラックずつ) | 単音のみだが、歌をMIDIにするなどの補助がある | 単音のトラックを1本ずつ直す |
歌ってみたのボーカルを直すという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では、歌ってみたでいちばん大事な「自然な仕上がり」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため、点数には含めていません。専門誌のレビューは記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
専門誌の評価(参考・点数には含めていません)
海外の音楽制作誌のレビューで挙げられていた主な点を、編集部が要約しました。
Sound On Sound(2023年2月)
製品全体(エディションを分けない)についてのレビューです。
- 画面が分かりやすく、細かく調整できる質の高いピッチ補正と評価
- 音の仕上がりは「使う人の腕しだい」で、アルゴリズム自体は十分に優秀とコメント
- ピッチの揺れを整える機能はMelodyneのほうが自然だったとも比較している
出典:Sound On Soundのレビュー(英語)
RePitchの対応環境と始め方
| 対応OS | Windows 10以降/Mac(macOS 12以降、Apple シリコン・Intel) |
|---|---|
| プラグインの形式 | VST3・AAX(Windows)、AU・VST3・AAX(Mac)。ARA2対応のDAWでは直接つながる |
| そのほか | 1つのライセンスで2台まで使える。サブスクリプションもあり |
メーカー公式ページで2026年9月27日に確認しました。
ほかのピッチ補正プラグインとの比較
見出しを押すと並べ替えできます。スマホでは表を横にスクロールできます。
| 製品 | ランク平均点 | 自然さ | リアルタイム | ハモリ・複数 | 無料 | OBS(配信) | 価格(店・確認日) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CelemonyMelodyne 5 essential | B 2.6 | ピッチとタイミング | なし | 単音1本ずつ | — | 記載なし | ¥17,250 [PB・10月26日確認] |
| CelemonyMelodyne 5 assistant | A 3.6 | 揺れ・歯擦音まで | なし | Audio→MIDI | — | 記載なし | ¥43,401 [PB・10月26日確認] |
| CelemonyMelodyne 5 editor | A 3.8 | 揺れ・歯擦音まで | なし | 和音も編集 | — | 記載なし | ¥69,540 [PB・10月26日確認] |
| CelemonyMelodyne 5 studio | S 4.2 | 揺れ・歯擦音まで | なし | 複数トラック+和音 | — | 記載なし | ¥121,840 [PB・10月26日確認] |
| AntaresAutoTune Pro 11 | A 4.0 | ノートごとに調整 | 低遅延+MIDI | ハモリ自動生成 | — | 記載なし | 記載なし |
| AntaresAutoTune Advanced | B 2.6 | 速さ・Humanize | 1ms未満+MIDI | 単音1本ずつ | — | 記載なし | $450 [公式・10月26日確認] |
| AntaresAutoTune | C 2.2 | 速さ・Humanize | 低遅延 | 単音1本ずつ | — | 記載なし | $250 [公式・10月26日確認] |
| MeldaProductionMAutoPitch | C 1.6 | 自動のみ | リアルタイム | 単音1本ずつ | 無料 | 記載なし | 記載なし |
| Synchro ArtsRePitch Elements | C 2.4 | ピッチとタイミング | なし | 単音1本ずつ | — | 記載なし | $69 [公式・10月26日確認] |
| Synchro ArtsRePitch Standard | A 3.4 | 形・フォルマント | なし | 複数トラック | — | 記載なし | $149 [公式・10月26日確認] |
| WavesWaves Tune Real-Time | C 2.4 | 自動のみ | 超低遅延+MIDI | 単音1本ずつ | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesWaves Tune | C 2.0 | ピッチとビブラート | なし | 単音1本ずつ | — | 未確認 | 記載なし |
| Synchro ArtsRevoice Pro 5 | A 3.6 | ビブラート・フォルマント・歯擦音まで | なし | 複数トラックに合わせる | — | 未確認 | $299 [公式・10月26日確認] |
| Auburn SoundsGraillon 3 | C 2.0 | 自動のみ | リアルタイム | 単音1本ずつ | 無料 | 未確認 | 記載なし |
| SoundtoysLittle AlterBoy | C 1.6 | 効果向け | リアルタイム+MIDI | 単音1本ずつ | — | 未確認 | $99 [公式・10月26日確認] |
機能は2026年9月25日に各メーカーの公式サイトで確認。価格は購入ボタンの先の販売ページで確認してください。


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