Antaresの「AutoTune」は、歌の音程をリアルタイムで自動補正するピッチ補正プラグインです。AutoTune・AutoTune Advanced・AutoTune Pro 11のエディションがあり、エディションによって使える機能が違います。この記事では、3つのエディションの違いを、ピッチ補正プラグイン15製品と同じ基準で比べています。根拠はメーカー公式の情報です。
※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。価格・セールの情報は記事の確認日時点のもので、変動する場合があります。
結論:目的別にどれを選ぶか
- AutoTune(ランクC):細かい編集はせず、自動補正のかかり具合だけを調整できれば十分な人。
- AutoTune Advanced(ランクB):配信やライブ、録音中のモニターで、遅れの少ないリアルタイム補正を使いたい人。
- AutoTune Pro 11(ランクA):かけ録り(歌いながらの補正)と、あとからのグラフ編集の両方を1本で済ませたい人。ハモリも自動で作りたい人。
3つのエディションの中でいちばん点数が高いのはAutoTune Pro 11(ランクA・平均4.0点)です。ただし、使わない機能のために上のエディションを買う必要はありません。自分の目的に合うものを選んでください。
AutoTuneの主な特徴
歌いながらでも自動で音程を合わせるリアルタイム補正
AutoTuneは、歌っている声をそのまま聞き取り、決めた音階(キー・スケール)の音に自動で合わせるピッチ補正です。録音したあとに画面で直すMelodyneと違い、かけ録り(補正をかけた声を聞きながら録音すること)や配信でも使えます。すべてのエディションに、補正の速さを決めるRetune速度と、伸ばした音の自然さを残すHumanizeのつまみがあります。
自然な補正から「ケロケロ声」まで
Retune速度をゆっくりにすると自然な補正、いちばん速くすると音程がカクッと切り替わる、いわゆる「ケロケロ声」(AutoTuneの効果)になります。公式ページでは、自然なビブラートを見つけて残すDVAビブラートエンジンや、昔の「AutoTune 5」の音のクラシックモード、トップアーティストのプリセットを紹介しています。
配信・ライブ向けの低遅延モード(Advanced)
Advancedには、1ms未満の遅れでモニターできる「ライブレイテンシーモード」と、リアルタイムでの声質(フォルマント)の変化・移調があります。配信やライブ、録音中のモニターで、声が遅れて聞こえるのを避けたいときに向いています。
グラフで細かく直す編集とハモリ作り(Pro 11)
Pro 11には、録音した歌をグラフ画面で1音ずつ直す機能、DAWと直接つながるARA2、MIDIからノートを作る機能、4パートのハモリを作るHarmony Playerが入っています。リアルタイムの自動補正と、あとからの細かい編集の両方を1本で済ませられるのが特長です。
こんな場面で役立ちます
- 歌いながら補正をかけて、音程を気にせずに録音する(かけ録り)
- 配信で、歌の音程をリアルタイムで整える(Advanced)
- ラップや歌に、ケロケロした効果をはっきりかける
エディションの違い(一覧表)
| エディション | ランク | 自然な仕上がり | 手早さ | リアルタイム補正 | ハモリ・複数トラック |
|---|---|---|---|---|---|
| AutoTune | C(2.2) | 速さ・Humanize | 自動補正 | 低遅延 | 単音1本ずつ |
| AutoTune Advanced | B(2.6) | 速さ・Humanize | 自動補正 | 1ms未満+MIDI | 単音1本ずつ |
| AutoTune Pro 11 | A(4.0) | ノートごとに調整 | 自動+ARA | 低遅延+MIDI | ハモリ自動生成 |
エディションごとの評価
AutoTune(ランクC)
Retune速度とHumanizeの調整で自動補正する、AutoTuneでいちばんシンプルな版です。

画像:Antares公式プレスキットより
- 自然な仕上がり:2点 — Retune速度とHumanizeで自然さを調整できます。フォルマントやビブラートの調整はありません。
- 手早さ:3点 — 自動補正で手早く直せますが、ARAには対応していません。
- リアルタイム補正:3点 — 低遅延のリアルタイム補正に対応しています。MIDIでの音程指定はありません。
- ハモリ・複数トラック:1点 — ハモリ生成や複数トラックの編集はありません。
AutoTuneの画面・イメージ

画像:Antares公式プレスキットより

画像:Antares公式プレスキットより
AutoTune Advanced(ランクB)
リアルタイム補正に重点を置いた版で、1ms未満の「ライブレイテンシーモード」やリアルタイムのフォルマント・移調を備えています。グラフ編集とARAには対応していません。

画像:Antares公式プレスキットより
- 自然な仕上がり:2点 — Retune速度やHumanizeで自然さを調整できます。ノートごとのグラフ編集はありません。
- 手早さ:3点 — 自動補正で手早く直せますが、ARAには対応していません。
- リアルタイム補正:5点 — 1ms未満のライブレイテンシーモードと、MIDIで音程を指定する機能があり、配信やライブでの補正に向いています。
- ハモリ・複数トラック:1点 — ハモリ生成や複数トラックの編集はありません。
AutoTune Advancedの画面・イメージ

画像:Antares公式プレスキットより

画像:Antares公式プレスキットより
AutoTune Pro 11(ランクA)
リアルタイムの自動補正に加えて、グラフ画面でのピッチ・タイミング編集、ARA2、4パートのハーモニー生成まで入ったAutoTuneの上位版です。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 自然さ
- ノートごとに調整
- リアルタイム
- 低遅延+MIDI
- ハモリ・複数
- ハモリ自動生成
- 価格(店・確認日)
- 記載なし
画像:Antares公式プレスキットより
- 自然な仕上がり:4点 — グラフ画面でノートごとにRetune速度・ビブラート・フォルマントを調整できます。
- 手早さ:4点 — 自動補正とARA2の両方があります。キーの自動検出は別製品(AutoKey)との連携です。
- リアルタイム補正:4点 — 低遅延のリアルタイム補正と、MIDIで補正先の音程を指定する機能があります(1ms未満のライブモードはAdvancedのみ)。
- ハモリ・複数トラック:4点 — 4パートのハモリを自動で作るHarmony Playerがあります。複数トラックの同時編集はありません。
AutoTune Pro 11の画面・イメージ

画像:Antares公式プレスキットより

画像:Antares公式プレスキットより
上の図はAutoTune Pro 11の点数です。
点数の付け方(ピッチ補正プラグイン)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自然な仕上がり | 歌を自然に直すための調整の細かさ | ノートごとに揺れ・ビブラート・フォルマント・歯擦音まで整えられる | ノートごとにビブラートやフォルマントを整えられる | ノートごとにピッチとタイミングを直せる | 自動補正のかかり具合(速さなど)で調整できる | 自動補正のみで、自然さの調整手段の説明がない |
| 手早さ | 直す作業を速くする仕組み | 自動マクロ・ARA・キーやコードの検出がそろっている | 自動補正(マクロ)とARAがある | 自動補正かARAのどちらかがある | 手作業が中心 | — |
| リアルタイム補正 | 配信・かけ録りでの使いやすさ | 1ms未満などの超低遅延モードとMIDIでの音程指定がある | 低遅延のリアルタイム補正とMIDIでの音程指定がある | 低遅延のリアルタイム補正がある | リアルタイム補正はあるが低遅延の記載がない | リアルタイム補正がない(録音後に直すタイプ) |
| ハモリ・複数トラック | ハモリやコーラスの扱いやすさ | 複数トラックを並べて編集でき、和音の中の音も直せる | 複数トラックを並べて編集できる、またはハモリを自動で作れる | 和音の中の音を直せる(1トラックずつ) | 単音のみだが、歌をMIDIにするなどの補助がある | 単音のトラックを1本ずつ直す |
歌ってみたのボーカルを直すという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では、歌ってみたでいちばん大事な「自然な仕上がり」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため、点数には含めていません。専門誌のレビューは記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
専門誌の評価(参考・点数には含めていません)
海外の音楽制作誌のレビューで挙げられていた主な点を、編集部が要約しました。
Sound On Sound(AutoTune 2026のレビュー)(2026年1月)
- 操作は速さ・Humanize・Flex Tuneの3つにしぼられていて、とても使いやすいと評価
- 最高品質の設定は遅れ(レイテンシー)が大きく、低遅延の設定も選べると紹介
- 上位版にある移調やフォルマントの調整が入っていない点を短所に挙げている
出典:Sound On Sound(AutoTune 2026のレビュー)のレビュー(英語)
Sound On Sound(2024年6月)
- ピッチ処理のツールとして引き続き優秀と評価
- AutoモードとGraphモードの操作が整理され、使いやすくなったと評価
- 新しいHarmony Playerは使いやすく、効果的なハモリが作れると評価
出典:Sound On Soundのレビュー(英語)
AutoTuneの対応環境と始め方
| 対応OS | Windows/Mac(Apple シリコンにネイティブ対応) |
|---|---|
| プラグインの形式 | 主要なDAWに対応(対応状況は公式の「DAWの互換性」ページ) |
| そのほか | 買い切り(永久ライセンス)とサブスクリプション(AutoTune Unlimited:全エディション入り)がある |
| 体験版 | 無料で試せる(公式サイトの「無料でお試しください」) |
メーカー公式ページで2026年9月27日に確認しました。
ほかのピッチ補正プラグインとの比較
見出しを押すと並べ替えできます。スマホでは表を横にスクロールできます。
| 製品 | ランク平均点 | 自然さ | リアルタイム | ハモリ・複数 | 無料 | OBS(配信) | 価格(店・確認日) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CelemonyMelodyne 5 essential | B 2.6 | ピッチとタイミング | なし | 単音1本ずつ | — | 記載なし | ¥17,250 [PB・10月26日確認] |
| CelemonyMelodyne 5 assistant | A 3.6 | 揺れ・歯擦音まで | なし | Audio→MIDI | — | 記載なし | ¥43,401 [PB・10月26日確認] |
| CelemonyMelodyne 5 editor | A 3.8 | 揺れ・歯擦音まで | なし | 和音も編集 | — | 記載なし | ¥69,540 [PB・10月26日確認] |
| CelemonyMelodyne 5 studio | S 4.2 | 揺れ・歯擦音まで | なし | 複数トラック+和音 | — | 記載なし | ¥121,840 [PB・10月26日確認] |
| AntaresAutoTune Pro 11 | A 4.0 | ノートごとに調整 | 低遅延+MIDI | ハモリ自動生成 | — | 記載なし | 記載なし |
| AntaresAutoTune Advanced | B 2.6 | 速さ・Humanize | 1ms未満+MIDI | 単音1本ずつ | — | 記載なし | $450 [公式・10月26日確認] |
| AntaresAutoTune | C 2.2 | 速さ・Humanize | 低遅延 | 単音1本ずつ | — | 記載なし | $250 [公式・10月26日確認] |
| MeldaProductionMAutoPitch | C 1.6 | 自動のみ | リアルタイム | 単音1本ずつ | 無料 | 記載なし | 記載なし |
| Synchro ArtsRePitch Elements | C 2.4 | ピッチとタイミング | なし | 単音1本ずつ | — | 記載なし | $69 [公式・10月26日確認] |
| Synchro ArtsRePitch Standard | A 3.4 | 形・フォルマント | なし | 複数トラック | — | 記載なし | $149 [公式・10月26日確認] |
| WavesWaves Tune Real-Time | C 2.4 | 自動のみ | 超低遅延+MIDI | 単音1本ずつ | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesWaves Tune | C 2.0 | ピッチとビブラート | なし | 単音1本ずつ | — | 未確認 | 記載なし |
| Synchro ArtsRevoice Pro 5 | A 3.6 | ビブラート・フォルマント・歯擦音まで | なし | 複数トラックに合わせる | — | 未確認 | $299 [公式・10月26日確認] |
| Auburn SoundsGraillon 3 | C 2.0 | 自動のみ | リアルタイム | 単音1本ずつ | 無料 | 未確認 | 記載なし |
| SoundtoysLittle AlterBoy | C 1.6 | 効果向け | リアルタイム+MIDI | 単音1本ずつ | — | 未確認 | $99 [公式・10月26日確認] |
機能は2026年9月25日に各メーカーの公式サイトで確認。価格は購入ボタンの先の販売ページで確認してください。


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