マスタリングソフトは、完成したミックスの音圧・音のバランス・広がりを整えて、配信や動画で聞こえやすい状態に仕上げるためのソフトです。
iZotope Ozoneは、AIが曲を解析して設定を作るMaster Assistantが特徴です。ここではOzone 12の3つのエディションを、公式の比較表に載っている機能で比べています。
この一覧は、マスタリングソフト8製品をAIでの仕上げ・細かい調整・配信前の確認の3項目で比べたものです。点は「目的に対してどれだけ優れているか」を項目ごとの条件に当てはめて決めていて、根拠はメーカー公式の情報です。価格は点数に含めていません。
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目的別のおすすめ
- マスタリングの知識がないなら:Ozone 12 Elements(ランクC)— AIのアシスタント中心で、少ないつまみで仕上げられます。
- AIの結果を自分でも調整したいなら:Ozone 12 Standard(ランクS)— 14のモジュールを直接操作でき、参照曲との比較もできます。
ランクのティアリスト
ランクは、メーカー公式の機能・仕様をもとにした評価で、音質の優劣ではありません。同じ段の中は、点数の高い順です。根拠は評価の付け方にあります。
評価項目ごとのティア表
総合のランクが同じでも、項目ごとに強みは違います。表の見出しを押すと、その項目のランクが高い順に並べ替えられるので、ほしい機能で選ぶときに使ってください。
| 製品 | 総合 | AIでの仕上げ知識がなくても整った音にできるか | 細かい調整AIの結果を自分で作り込めるか | 配信前の確認配信・書き出し前のチェック機能 |
|---|---|---|---|---|
iZotopeOzone 12 Advanced | S5.0 | S参照曲も比較 | S20モジュール+個別 | Sコーデック試聴まで |
iZotopeOzone 12 Standard | S4.3 | S参照曲も比較 | A14モジュール | Aディザー+差分 |
IK MultimediaT-RackS 6 MAX | A3.8 | A参照曲に合わせて自動 | S63モジュール・個別プラグイン | C確認の機能は少なめ |
LANDRLANDR Mastering Plugin | C2.5 | BAI解析で自動 | BEQ・ダイナミクスなど | Cメーターのみ |
iZotopeOzone 12 Elements | C2.3 | Aアシスタント | Cつまみのみ | C確認の機能は少なめ |
SteinbergWaveLab Pro 13 | C2.0 | CAIの記載なし | Bプラグイン+オフライン処理 | C音量の測定が中心 |
SteinbergWaveLab Elements 13 | C2.0 | CAIの記載なし | Bプラグイン+MasterRig 2 | C音量の測定が中心 |
Brainworx(Plugin Alliance)bx_masterdesk | C1.5 | CAIなし | C少ないつまみ+プリセット | C確認の機能は少なめ |
列の見出しを押すと、その項目で並べ替えられます(もう一度押すと逆順)。各マスは、その項目の点(1〜5点)を、5点=S・4点=A・3点=B・2点以下=Cで表したものです。「—」は点のない項目です。メーカー公式の機能・仕様での評価で、音質の優劣ではありません。点の付け方は評価の付け方にあります。
点数順の主な製品
iZotope Ozone 12ランクS
T-RackS 6 MAXランクA
LANDR Mastering PluginランクC
WaveLab Pro 13ランクC
WaveLab Elements 13ランクC
bx_masterdeskランクC
この比較で点数が高い順に、最大9製品(シリーズは1つにまとめています)を並べています。画像はメーカー公式のプレス用画像で、ない製品は製品名のカードを表示しています。全体の順位とランクの根拠は、下のティア表と各製品のページにあります。
マスタリングソフトの選び方

図:SoundBounty
AIに任せるか、自分で作り込むか
マスタリングソフトには、AIが曲を聞いて設定を提案する機能があるものがあります。まずは提案を出発点にして、音量や音のバランスを好みに合わせて調整すると手早く仕上げられます。
仕上げに必要な道具がそろっているか
EQ・コンプ・リミッター・音の広がりの調整など、仕上げに使う道具が1本にまとまっていると、プラグインを組み合わせる手間が省けます。
エディションで使える道具が違う
同じ製品でも、エディションによって使える道具の数が違います。歌ってみたや自作曲の仕上げなら、よく使う道具が入っているエディションで十分なこともあります。
製品ごとのひとこと
iZotope Ozone 12(Ozone 12 Elements C・Ozone 12 Standard S・Ozone 12 Advanced S)
iZotopeの「Ozone 12」は、曲の音量や音のバランスを整えて仕上げる(マスタリング)ソフトです。AIが曲を聞いて設定を提案するアシスタントがあり、Elements・Standard・Advancedの3つのエディションで使える機能が違います。

T-RackS 6 MAX(ランクA)
63のミキシング・マスタリング用モジュールを好きに組み合わせて使えるソフトです。好きな曲に近づけて自動で仕上げる「Master Match X」があり、DAWのプラグインとしても、単体のマスタリング用ソフトとしても使えます。各モジュールは個別のプラグインとしても使えます。参考にしたい曲に近づけて、自動で手早く仕上げたい人。モジュールを組み合わせて作り込みたい人に向いています。

画像:IK Multimedia公式サイトの製品画像(プレス向け)より
LANDR Mastering Plugin(ランクC)
AIが曲を解析してマスタリングの設定を作る、LANDRのDAW用プラグインです。仕上げのスタイルを選べ、EQ・ディエッサー・ステレオ幅・ダイナミクスなどの項目やラウドネスメーターがあります。マスタリングの知識がなくても、AIに任せて手早く仕上げたい人に向いています。
WaveLab Pro 13(ランクC)
マスタリングと編集のためのSteinbergの本格的なソフトです。DAWのプラグインではなく単体で動き、複数の曲を並べて仕上げるAudio Montage、スペクトル編集、バッチ処理、Dolby Atmosのマスタリングに対応します。アルバムをまとめて仕上げたい人。音の編集から書き出しまでを1本のソフトで行いたい人に向いています。
WaveLab Elements 13(ランクC)
WaveLabの入門版です。Audio EditorとAudio Montageの作業画面で、曲の編集とマスタリングができます。バージョン13でMasterRig 2が初めて入りました。マスタリング用の編集ソフトを、手ごろな価格で始めたい人に向いています。
bx_masterdesk(ランクC)
高級なアナログのマスタリング機材をモデリングした処理を、ひとつにまとめたプラグインです。少ないつまみとプリセットで、短時間でマスターを作ることを目指して作られています。AIではなく、プリセットと少ないつまみで、アナログらしい音に仕上げたい人に向いています。
よくある質問
Q. 歌ってみたにマスタリングは必要?
必要とまでは言えませんが、仕上げで音量と音のバランスを整えると、ほかの曲と並べたときに聞き劣りしにくくなります。
Q. マスタリングとミックスの違いは?
ミックスは声と伴奏など、トラックごとのバランスを整える作業です。マスタリングは、できあがった1本の曲全体の音量や音質を整える、最後の仕上げです。
Q. リミッターだけでも仕上げられる?
音量を上げるだけならリミッターでもできます。音のバランスや広がりまで整えたいなら、マスタリング用のソフトが便利です。
点数の付け方
点数の付け方(マスタリングソフト)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| AIでの仕上げ | 知識がなくても整った音にできるか | 自動の仕上げに加え、参照曲との比較とボーカルのバランス調整がある | 自動の仕上げと、参照曲との比較かボーカルのバランス調整のどちらか | 自動の仕上げのみ | — | — |
| 細かい調整 | AIの結果を自分で作り込めるか | 15以上の処理モジュールをすべて直接操作でき、個別のプラグインとしても使える | 10以上の処理モジュールを直接操作できる | いくつかの処理を直接操作できる | アシスタントの結果を少ないつまみで調整するだけ | — |
| 配信前の確認 | 配信・書き出し前のチェック機能 | 配信用に圧縮した音の試聴・ディザー・処理の差分試聴がそろう | ディザーと差分試聴 | どちらか1つ | — | 公式ページに記載がない |
歌ってみたや自作曲を配信向けに仕上げるという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では「細かい調整」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため点数には含めず、専門誌のレビューを記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。iZotope Ozone 12の3つのエディションに加え、IK Multimedia・LANDR・Brainworx・Slate Digital・Steinbergの製品を比べています。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
点数とランクの考え方は「評価の付け方」にまとめています。製品は順に追加していきます。
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LANDR Mastering PluginランクC