iZotopeの「RX 12」は、録音に入ったノイズや部屋の響き、クリックなどを取り除く音声修復ソフトです。Elements・Standard・Advancedの3つのエディションがあり、使える修復の種類が違います。この記事では、3つのエディションの違いを、ノイズ除去・音声修復ソフト13製品と同じ基準で比べています。根拠はメーカー公式の情報です。
※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。価格・セールの情報は記事の確認日時点のもので、変動する場合があります。
結論:目的別にどれを選ぶか
- RX 12 Elements(ランクB):歌ってみたの録音に入ったハム音・クリックノイズ・部屋の響きを、手軽に減らしたい人。
- RX 12 Standard(ランクS):声のノイズ除去に加えて、歯擦音・リップノイズ・息の音まで細かく整えたい人。オケとボーカルを分けたい人。
- RX 12 Advanced(ランクS):映像作品の台詞の修復など、仕事で音声の修復をする人。
3つのエディションの中でいちばん点数が高いのはRX 12 Advanced(ランクS・平均4.8点)です。ただし、使わない機能のために上のエディションを買う必要はありません。自分の目的に合うものを選んでください。
iZotope RX 12の主な特徴
音を「絵」として見て、邪魔な音だけを消せるスペクトログラム
RXでは、録音を縦が音の高さ・横が時間の「絵」(スペクトログラム)で表示し、犬の鳴き声・弦のキュッという音・サイレンのような邪魔な音を、絵を塗るように選んで消せます。波形だけでは見分けられない音も、形や色で見つけられるのが特長です。公式ページでは、50以上のツールを持つ単体の編集ソフトと、DAWで使える20以上のプラグインでできていると説明しています。
困りごとごとに専用のツール
サーというノイズを消すSpectral De-noise、ブーンというハム音を消すDe-hum、クリック音のDe-click、音割れを直すDe-clip、口の中のペチャッという音を消すMouth De-click、部屋の響きを減らすDe-reverbなど、困りごとごとに専用のツールがあります。どのツールがどのエディションに入っているかは、公式の比較表で分けられています(例:De-click・De-clipはElementsから、息の音を整えるBreath ControlやDe-bleedはStandardから)。
何を直せばいいか提案してくれるRepair Assistant
Repair Assistantは、音を聞き取って問題の種類を見つけ、直し方を提案してくれる機能です。提案された処理は分かりやすいつまみで好みに合わせて調整できます。どのツールを使えばいいか分からない初心者でも、まず手早く整えられます。
曲を楽器ごとに分けられるMusic Rebalance
完成した曲から、ボーカル・ベース・打楽器・そのほかの楽器を分けたり、それぞれの音量を変えたりできる機能です。RX 12でAIの仕組み(ニューラルネット)が新しくなり、リアルタイムのプラグインとしても使えるようになりました。分けた音には、RXのほかのツールをそのままかけられます(Stems View)。
声だけを取り出すDialogue Isolate
雑音や響きの中から、声だけをきれいに取り出す機能で、RX 12で新しいAIの仕組みになりました。録音したあとの処理と、リアルタイムの処理の両方に対応しています。映像や配信の声だけでなく、歌の録音の後ろの雑音を減らすのにも使えます。
こんな場面で役立ちます
- 自宅で録った歌の後ろに入った、エアコンや車の音・部屋の響きを減らす
- 歌の途中のリップノイズや息の音を、目で見て選んで消す
- 完成した曲から、ボーカルだけ・伴奏だけを取り出す(Music Rebalance)
エディションの違い(一覧表)
| エディション | ランク | 歌の録音のノイズ対策 | 音の分離 | 手早さ | 配信・リアルタイム |
|---|---|---|---|---|---|
| RX 12 Elements | B(2.8) | 基本のノイズ | なし | 自動提案 | Voice De-noise(遅れなし) |
| RX 12 Standard | S(4.4) | リップ・息まで | 声の抽出・分離 | 提案+スペクトル編集 | Voice De-noise(遅れなし) |
| RX 12 Advanced | S(4.8) | リップ・息まで | 場面の分離まで | 空気感・EQも合わせる | Voice De-noise(遅れなし) |
エディションごとの評価
RX 12 Elements(ランクB)
iZotope RXのいちばん小さいエディションです。Voice De-noise・De-hum・De-click・De-reverb・De-clipと、自動で修復の設定を提案するRepair Assistantのプラグインが入っています。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 歌の録音のノイズ対策
- 基本のノイズ
- 音の分離
- なし
- 手早さ
- 自動提案
- 価格(店・確認日)
- ¥17,216 [PB・10月26日確認]
画像:iZotope公式プレスキットより
- 歌の録音のノイズ対策:3点 — 声の背景ノイズ・ハム・クリック・部屋の響き・音割れに対処できます。
- 音の分離:1点 — パートの分離などの機能はありません。
- 手早さ:3点 — Repair Assistantが修復の設定を提案します。
- 配信・リアルタイム:4点 — zero-latencyの「Voice De-noise」を、リアルタイムのプラグインとして使えます(iZotope公式)。
RX 12 Standard(ランクS)
RX 12の主要な修復ツールがそろったエディションです。Elementsの機能に加えて、Spectral De-noise、De-ess、De-plosive、Mouth De-click、Breath Control、Dialogue Isolate、Music Rebalance(パートの分離)、De-bleed、スペクトル編集などが入っています。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 歌の録音のノイズ対策
- リップ・息まで
- 音の分離
- 声の抽出・分離
- 手早さ
- 提案+スペクトル編集
- 価格(店・確認日)
- ¥69,384 [PB・10月26日確認]
画像:iZotope公式プレスキットより
- 歌の録音のノイズ対策:5点 — 基本のノイズに加えて、リップノイズ・息・歯擦音・吹かれなどにも対処できます。
- 音の分離:4点 — Dialogue Isolate・Music Rebalance・De-bleedがあります。
- 手早さ:4点 — Repair Assistant、スペクトル編集、Batch Processorがあります。
- 配信・リアルタイム:4点 — zero-latencyの「Voice De-noise」を、リアルタイムのプラグインとして使えます(iZotope公式)。
RX 12 Standardの画面・イメージ

画像:iZotope公式プレスキットより
RX 12 Advanced(ランクS)
RX 12の全機能が入った最上位エディションです。Standardの機能に加えて、De-rustle、Scene Rebalance、Ambience Match、EQ Matchなど、映像の音声の修復向けの機能も備えています。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 歌の録音のノイズ対策
- リップ・息まで
- 音の分離
- 場面の分離まで
- 手早さ
- 空気感・EQも合わせる
- 価格(店・確認日)
- ¥243,279 [PB・10月26日確認]
画像:iZotope公式プレスキットより
- 歌の録音のノイズ対策:5点 — Standardの内容に加え、衣ずれ音などにも対処できます。
- 音の分離:5点 — Standardの内容に加え、台詞・音楽・効果音を分けるScene Rebalanceがあります。
- 手早さ:5点 — Standardの内容に加え、Ambience MatchとEQ Matchがあります。
- 配信・リアルタイム:4点 — zero-latencyの「Voice De-noise」を、リアルタイムのプラグインとして使えます(iZotope公式)。
RX 12 Advancedの画面・イメージ

画像:iZotope公式プレスキットより

画像:iZotope公式プレスキットより
上の図はRX 12 Advancedの点数です。
点数の付け方(ノイズ除去・音声修復ソフト)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 歌の録音のノイズ対策 | 自宅録音でよく入るノイズへの対応 | 背景ノイズ・ハム・クリック・響きに加え、リップノイズ・息・歯擦音・吹かれまで対処できる | そのうち大部分に対処できる | 背景ノイズ・ハム・クリック・部屋の響きなど基本に対処できる | 一部のみ | — |
| 音の分離 | 声とオケ、パートごとに分ける機能 | 声の抽出・パート分離・かぶり除去・場面の分離がそろう | そのうち3つ | そのうち1〜2つ | — | 分離の機能がない |
| 手早さ | 修復を速く進める仕組み | 自動提案・スペクトル編集・まとめて処理に加え、空気感やEQを合わせる機能がある | 自動提案・スペクトル編集・まとめて処理 | 自動で修復の設定を提案する機能がある | 自動の提案はなく、つまみなどを手で調整する | — |
| 配信・リアルタイム | 配信や録音中に、声のノイズをリアルタイムで減らせるか | リアルタイムで使え、配信での利用が公式に書かれている | 声のノイズ除去を、遅れのない(ゼロレイテンシー)リアルタイムのプラグインで使える | プラグインとして使える(遅れの大きさの記載なし) | 録音後の編集が中心(処理の試聴だけリアルタイム) | リアルタイムでは使えない |
自宅で録った歌のノイズを減らすという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では「歌の録音のノイズ対策」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため点数には含めず、専門誌のレビューを記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。 「配信・リアルタイム」は、検索で多い「配信で使えるノイズ除去」に答えるための項目です。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
iZotope RX 12の対応環境と始め方
| 対応OS | Windows/Mac |
|---|---|
| プラグインの形式 | VST3・AU・AAX(プラグイン)。単体の編集ソフトもあり |
| 単体で起動 | あり(RX Audio Editor) |
| OBS(配信) | そのままでは使えません(VST3のみ)。中継のプラグインを使えば読み込めます |
メーカー公式ページで2026年9月27日に確認しました。配信ソフトOBSでの使い方は「OBSでVST3プラグインを使うには?」で解説しています。
ほかのノイズ除去・音声修復ソフトとの比較
見出しを押すと並べ替えできます。スマホでは表を横にスクロールできます。
| 製品 | ランク平均点 | 歌の録音のノイズ対策 | 音の分離 | 手早さ | 配信・リアルタイム | 無料 | OBS(配信) | 価格(店・確認日) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| iZotopeRX 12 Elements | B 2.8 | 基本のノイズ | なし | 自動提案 | Voice De-noise(遅れなし) | — | ×(VST3のみ) | ¥17,216 [PB・10月26日確認] |
| iZotopeRX 12 Standard | S 4.4 | リップ・息まで | 声の抽出・分離 | 提案+スペクトル編集 | Voice De-noise(遅れなし) | — | ×(VST3のみ) | ¥69,384 [PB・10月26日確認] |
| iZotopeRX 12 Advanced | S 4.8 | リップ・息まで | 場面の分離まで | 空気感・EQも合わせる | Voice De-noise(遅れなし) | — | ×(VST3のみ) | ¥243,279 [PB・10月26日確認] |
| SteinbergSpectraLayers Pro 13 | A 4.0 | 響き・歯擦音も | 曲の全パート分離 | 自動処理+一括 | 録音後の編集が中心 | — | × | ¥63,982 [PB・10月26日確認] |
| SteinbergSpectraLayers Elements 13 | C 2.4 | ノイズ・ハム・クリック | ボーカルの分離 | スペクトル編集 | 録音後の編集が中心 | — | × | ¥16,105 [PB・10月26日確認] |
| Acon DigitalRestoration Suite 2 | C 2.2 | ノイズ・ハム・クリック | なし | 自動モード | プラグイン(DeNoise など) | — | ○ | ¥17,250 [PB・10月26日確認] |
| Antinode AudioClear | B 3.0 | ノイズ+響き | 声の分離 | つまみ3つ | 配信向けと明記 | — | ○ | $69 [公式・10月26日確認] |
| WavesClarity Vx | B 2.6 | 背景ノイズ | 声の分離 | つまみ1つ | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | ¥6,958(セール中、通常¥34,680) [PB・10月26日確認] |
| WavesNS1 | B 2.6 | 背景ノイズ | 声の分離 | フェーダー1本 | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesWNS | C 2.2 | 背景ノイズ+響き | なし | 設定を提案 | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesClarity Vx Pro | B 2.6 | 背景ノイズ+反射 | 声の分離 | つまみ1つ+詳細 | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesZ-Noise | C 2.2 | ノイズ・ハム | なし | 自動追従モード | プラグイン | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| Bertom AudioDenoiser Classic | C 2.2 | ノイズ | なし | 手動の調整 | ゼロレイテンシー | 無料 | ×(VST3のみ) | 記載なし |
機能は2026年9月25日に各メーカーの公式サイトで確認。価格は購入ボタンの先の販売ページで確認してください。


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