Steinbergの「SpectraLayers 13」は、音を周波数の絵(スペクトル)で見ながら、ノイズや不要な音を消したり、音を分離したりできる編集ソフトです。ElementsとProの2つのエディションがあります。この記事では、2つのエディションの違いを、ノイズ除去・音声修復ソフト13製品と同じ基準で比べています。根拠はメーカー公式の情報です。
※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。価格・セールの情報は記事の確認日時点のもので、変動する場合があります。
結論:目的別にどれを選ぶか
- SpectraLayers Elements 13(ランクC):手ごろな価格で、画面を見ながらノイズを消す作業やボーカルの取り出しを試したい人。
- SpectraLayers Pro 13(ランクA):ボーカルと伴奏の分離や、画面で見ながらの細かい修復まで1本でこなしたい人。
2つのエディションの中でいちばん点数が高いのはSpectraLayers Pro 13(ランクA・平均4.0点)です。ただし、使わない機能のために上のエディションを買う必要はありません。自分の目的に合うものを選んでください。
SpectraLayers 13の主な特徴
音を目で見て、つかんで直すスペクトル編集
SpectraLayersは、音を「目に見える形」として表示し、その形を直接つかんで消したり動かしたりできる編集ソフトです。公式ページでは、長年作り込んできた選択ツールで、大まかな編集から細かい修正までできると説明しています。いらない音を消す、クリックや音割れを直す、といった修復を、手作業でも自動でも進められます。
AIで曲や声を分ける「Unmix」
AIを使って、曲を楽器ごとのパート(ステム)に分けたり、分けた音をさらに細かく分けたりできます。公式の比較表では、Proは曲をすべてのパートに分けられ、Elementsは声だけを取り出す形です。Proでは、ほかにも観客の声・2人の声・コーラスなどを分ける機能があります。
分けた音を「レイヤー」として重ねて扱う
分けた音や選んだ部分は、画像編集ソフトのように「レイヤー」として重ねて管理できます。1つのレイヤーだけ音量を変えたり、別の処理をかけたりできるので、修復だけでなく、サンプルを分解して新しい音を作るといった使い方もできます。
ProとElementsの違い
Proは最大384kHz・16チャンネルまで扱え、似た音をまとめて選ぶ機能や、周りの響きを合わせるAmbience Matchなども使えます。Elementsは最大96kHz・ステレオまでで、日常的な修復に必要な機能にしぼった版です。
こんな場面で役立ちます
- 歌の録音に入ったクリックやノイズを、目で見て選んで消す
- 曲からボーカルだけを取り出す(Elementsから)
- 曲を楽器ごとに分けて、リミックスやカラオケを作る(Pro)
エディションの違い(一覧表)
| エディション | ランク | 歌の録音のノイズ対策 | 音の分離 | 手早さ | 配信・リアルタイム |
|---|---|---|---|---|---|
| SpectraLayers Elements 13 | C(2.4) | ノイズ・ハム・クリック | ボーカルの分離 | スペクトル編集 | 録音後の編集が中心 |
| SpectraLayers Pro 13 | A(4.0) | 響き・歯擦音も | 曲の全パート分離 | 自動処理+一括 | 録音後の編集が中心 |
エディションごとの評価
SpectraLayers Elements 13(ランクC)
SpectraLayersの入門版で、スペクトル編集と、ノイズ・ハム・クリックの自動処理、AIによるボーカルの分離に対応しています。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 歌の録音のノイズ対策
- ノイズ・ハム・クリック
- 音の分離
- ボーカルの分離
- 手早さ
- スペクトル編集
- 価格(店・確認日)
- ¥16,105 [PB・10月26日確認]
- 歌の録音のノイズ対策:2点 — ノイズ・ハム・クリックの処理があります。部屋の響きを減らす処理はProのみです。
- 音の分離:3点 — AIでボーカルを取り出せます(ほかのパートの分離はProのみ)。
- 手早さ:3点 — 画面で見ながら消せるスペクトル編集と自動の処理があります。一括処理はありません。
- 配信・リアルタイム:2点 — 音を画面で見ながら録音後に編集するソフトです。処理のプレビューはリアルタイムで聞けますが、配信中に使うプラグインではありません。
SpectraLayers Pro 13(ランクA)
音を画面上の「絵」として表示し、部分的に選んで消したり取り出したりできるスペクトル編集ソフトの最上位版です。ノイズ・響き・ハム・クリック・音割れの修復、ディエッサー、AIによる曲のパート分離(ボーカル・楽器・複数の声など)に対応しています。

- 仕様の最終確認日
- 2026/09/25
- 歌の録音のノイズ対策
- 響き・歯擦音も
- 音の分離
- 曲の全パート分離
- 手早さ
- 自動処理+一括
- 価格(店・確認日)
- ¥63,982 [PB・10月26日確認]
- 歌の録音のノイズ対策:4点 — ノイズ・部屋の響き・ハム・クリック・音割れの修復とディエッサーに加え、声専用のノイズ除去・クリック除去もあります。息や吹かれ専用の処理は比較表にありません。
- 音の分離:5点 — ボーカル・楽器・複数の声・観客のノイズなどへの分離と、かぶり除去(De-Bleed)があります。
- 手早さ:5点 — スペクトル編集、自動の処理とプリセット、一括処理(Batch)、響きを合わせるReverb Matchがあります。
- 配信・リアルタイム:2点 — 音を画面で見ながら録音後に編集するソフトです。処理のプレビューはリアルタイムで聞けますが、配信中に使うプラグインではありません。
SpectraLayers Pro 13の画面・イメージ


上の図はSpectraLayers Pro 13の点数です。
点数の付け方(ノイズ除去・音声修復ソフト)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 歌の録音のノイズ対策 | 自宅録音でよく入るノイズへの対応 | 背景ノイズ・ハム・クリック・響きに加え、リップノイズ・息・歯擦音・吹かれまで対処できる | そのうち大部分に対処できる | 背景ノイズ・ハム・クリック・部屋の響きなど基本に対処できる | 一部のみ | — |
| 音の分離 | 声とオケ、パートごとに分ける機能 | 声の抽出・パート分離・かぶり除去・場面の分離がそろう | そのうち3つ | そのうち1〜2つ | — | 分離の機能がない |
| 手早さ | 修復を速く進める仕組み | 自動提案・スペクトル編集・まとめて処理に加え、空気感やEQを合わせる機能がある | 自動提案・スペクトル編集・まとめて処理 | 自動で修復の設定を提案する機能がある | 自動の提案はなく、つまみなどを手で調整する | — |
| 配信・リアルタイム | 配信や録音中に、声のノイズをリアルタイムで減らせるか | リアルタイムで使え、配信での利用が公式に書かれている | 声のノイズ除去を、遅れのない(ゼロレイテンシー)リアルタイムのプラグインで使える | プラグインとして使える(遅れの大きさの記載なし) | 録音後の編集が中心(処理の試聴だけリアルタイム) | リアルタイムでは使えない |
自宅で録った歌のノイズを減らすという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では「歌の録音のノイズ対策」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため点数には含めず、専門誌のレビューを記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。 「配信・リアルタイム」は、検索で多い「配信で使えるノイズ除去」に答えるための項目です。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
専門誌の評価(参考・点数には含めていません)
海外の音楽制作誌のレビューで挙げられていた主な点を、編集部が要約しました。
Sound On Sound(SpectraLayers Pro 12のレビュー)(2025年10月)
ひとつ前のバージョン(12)のレビューです。
- AIを使った処理のモジュールが、はっきり分かるほど改善したと評価
- アップグレードの間隔が短いので、たまにしか使わない人には負担かもしれないと指摘
出典:Sound On Sound(SpectraLayers Pro 12のレビュー)のレビュー(英語)
SpectraLayers 13の対応環境と始め方
| 対応OS | Windows/Mac(Apple シリコンにネイティブ対応) |
|---|---|
| プラグインの形式 | ARA2対応のVST3・AAX(ARAで対応するDAWと直接つながる) |
| 単体で起動 | あり(単体の編集ソフト) |
| 体験版 | 無料の体験版あり(公式サイトの「Try for free」) |
| OBS(配信) | そのままでは使えません。中継のプラグインを使えば読み込めます |
メーカー公式ページで2026年9月27日に確認しました。配信ソフトOBSでの使い方は「OBSでVST3プラグインを使うには?」で解説しています。
ほかのノイズ除去・音声修復ソフトとの比較
見出しを押すと並べ替えできます。スマホでは表を横にスクロールできます。
| 製品 | ランク平均点 | 歌の録音のノイズ対策 | 音の分離 | 手早さ | 配信・リアルタイム | 無料 | OBS(配信) | 価格(店・確認日) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| iZotopeRX 12 Elements | B 2.8 | 基本のノイズ | なし | 自動提案 | Voice De-noise(遅れなし) | — | ×(VST3のみ) | ¥17,216 [PB・10月26日確認] |
| iZotopeRX 12 Standard | S 4.4 | リップ・息まで | 声の抽出・分離 | 提案+スペクトル編集 | Voice De-noise(遅れなし) | — | ×(VST3のみ) | ¥69,384 [PB・10月26日確認] |
| iZotopeRX 12 Advanced | S 4.8 | リップ・息まで | 場面の分離まで | 空気感・EQも合わせる | Voice De-noise(遅れなし) | — | ×(VST3のみ) | ¥243,279 [PB・10月26日確認] |
| SteinbergSpectraLayers Pro 13 | A 4.0 | 響き・歯擦音も | 曲の全パート分離 | 自動処理+一括 | 録音後の編集が中心 | — | × | ¥63,982 [PB・10月26日確認] |
| SteinbergSpectraLayers Elements 13 | C 2.4 | ノイズ・ハム・クリック | ボーカルの分離 | スペクトル編集 | 録音後の編集が中心 | — | × | ¥16,105 [PB・10月26日確認] |
| Acon DigitalRestoration Suite 2 | C 2.2 | ノイズ・ハム・クリック | なし | 自動モード | プラグイン(DeNoise など) | — | ○ | ¥17,250 [PB・10月26日確認] |
| Antinode AudioClear | B 3.0 | ノイズ+響き | 声の分離 | つまみ3つ | 配信向けと明記 | — | ○ | $69 [公式・10月26日確認] |
| WavesClarity Vx | B 2.6 | 背景ノイズ | 声の分離 | つまみ1つ | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | ¥6,958(セール中、通常¥34,680) [PB・10月26日確認] |
| WavesNS1 | B 2.6 | 背景ノイズ | 声の分離 | フェーダー1本 | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesWNS | C 2.2 | 背景ノイズ+響き | なし | 設定を提案 | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesClarity Vx Pro | B 2.6 | 背景ノイズ+反射 | 声の分離 | つまみ1つ+詳細 | リアルタイム | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| WavesZ-Noise | C 2.2 | ノイズ・ハム | なし | 自動追従モード | プラグイン | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | 記載なし |
| Bertom AudioDenoiser Classic | C 2.2 | ノイズ | なし | 手動の調整 | ゼロレイテンシー | 無料 | ×(VST3のみ) | 記載なし |
機能は2026年9月25日に各メーカーの公式サイトで確認。価格は購入ボタンの先の販売ページで確認してください。


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