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Neumannの「U 87 Ai」を紹介します。メーカーと国内代理店の公式情報をもとに、何ができる製品か、どう使うか、どんな人に向くかをまとめました(点数評価は付けていません)。
The Neumann U 87 Ai is probably the best-known and most frequently used studio microphone the world over.
—— Neumann公式サイトより(原文)
U 87 Aiはどんな製品?
U 87 Aiは、ドイツのNeumann(ノイマン)が作る大口径コンデンサーマイクです。元になったU 87は1967年に登場したモデルで、その流れをくむ現行機種として、メーカーはスタジオで広く使われてきたマイクとして紹介しています。見た目も細身のボディに特徴的なヘッドグリルで、スタジオマイクの典型的な姿として公式ページで語られています。
いちばんの特徴は、無指向・単一指向(カーディオイド)・双指向(8の字)の3つの指向性をスイッチで選べることです。さらにローカット(低音をカットするフィルター)とパッド(入力を弱めるスイッチ)も本体に付いています。歌、語り、アコースティック楽器、ドラムの上から録る使い方まで、1本でいろいろな場面に合わせられる作りです。
中身は昔ながらの設計思想を受け継いでいます。公式の説明では、カプセルは1960年代初めのU 67と同じ二重振動板のデザインで、ヘッドアンプはFET回路とトランス平衡出力の組み合わせです。信号の通り道を短くすることで、信号の品質とノイズへの強さ(同相ノイズ除去)を高めた設計だとNeumannは述べています。
用途としては、ボーカルやナレーション(ボイスオーバー、吹き替え、オーディオブック)が最初に挙げられています。そのほか、アコースティックギターやドラムのオーバーヘッド、ベースやギターのキャビネット、チェロなどのソリストのスポット録り、ピアノのステレオ録りも公式ページで紹介されています。ファンタム電源で動くので、一般的なオーディオインターフェースにつないで使えます。
U 87 Aiの型番は6種類あります。ニッケル仕上げの「U 87 Ai」(品番007022)とつや消しブラックの「U 87 Ai mt」(007023)が単体モデルで、それぞれにショックマウント付きのStudio Set(008660/008661)と、マイク2本のStereo Set(008505/008506)が用意されています。色とセット内容を分けて選べる構成です。
Neumannの日本語公式ページでは、この製品がスピーチやボーカルの標準的なマイクとして紹介されています。受賞歴としては、U 87の記念モデルがMIPA Award 2008を、U 87 Aiの製品ページがSOS AwardのBest Microphone(2012年、2013年、2015年)を挙げています。メーカーによる実績の紹介として読むのがよいでしょう。
3つの指向性を切り替え
無指向・単一指向・双指向をスイッチで選べます。単一指向は正面の音を中心に、双指向は前後の音を、無指向は全方向を拾う方式です。録る音源や部屋の響きの取り入れ方に合わせて切り替えられます。
ローカットとパッド
ローカットは低い周波数の雑音(机の振動や空調音など)を抑えるときに、パッドは入力が大きすぎるときに使うスイッチです。パッドを使うと最大SPLが117 dBから127 dB(カーディオイド)に上がると公式の仕様にあります。
FET回路とトランス平衡出力
真空管の先代機と同じ設計の考え方を、FET回路で実現しているとNeumannは説明しています。信号経路を最小限にし、出力はトランスで平衡化。長いXLRケーブルでもノイズが乗りにくい平衡接続です。
自己雑音の小ささ
A特性の等価雑音レベルは、カーディオイドで12 dB-A、無指向で15 dB-A、双指向で14 dB-Aと公式の仕様に載っています。小さな声や静かな楽器を録るときは、この数値が参考になります。
幅広い用途
公式ページには、ボーカル、ボイスオーバー、アコースティックギター、ドラムのオーバーヘッド、ベースやギターのキャビネット、チェロのスポット録り、ピアノのステレオ録りが例として挙がっています。1本でいくつもの場面に当てられる点が強調されています。
ニッケルとブラックの2色、セット販売あり
色はニッケルとブラック(つや消し)の2種類です。マイク本体と木箱の単体モデルのほか、ショックマウント付きのStudio Set、マイク2本のStereo Setが公式の注文情報に載っています。
豊富な純正アクセサリー
ショックマウント(EA 87、Z 48、Z 26 mt)、ポップスクリーン(PS 15、PS 20 a)、ウィンドスクリーンWS 87、スタンド類(MF 3、MF 4、MF 5)など、純正の周辺品が公式ページに並びます。録る環境に合わせて組み合わせられます。
S/N比の公開値
S/N比(A特性、94 dB SPL基準)は無指向79 dB、単一指向82 dB、双指向80 dBと公式が数値を公開しています。指向性ごとの数値を見比べて選べます。
関連モデルとのつながり
公式ページには、同じ大型振動板のTLM 103やU 67 Setなど関連製品へのリンクがあります。U 87 Aiは、1960年代初頭のU 67から続くカプセル設計の系譜に位置づけられています。
仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 動作原理 | 圧力傾度型 |
| 指向性 | 無指向/単一指向/双指向 |
| 周波数特性 | 20 Hz〜20 kHz |
| 感度(1 kHz) | 20/28/22 mV/Pa(無指向/単一指向/双指向) |
| 定格インピーダンス | 200 Ω |
| 等価雑音レベル(A特性) | 15/12/14 dB-A(無指向/単一指向/双指向) |
| 最大SPL(THD 0.5%) | 117 dB(単一指向)、パッド使用時127 dB |
| 電源 | ファンタム電源 P48(48 V ± 4 V)、0.8 mA |
| 重さ | 500 g |
| サイズ | 直径56 mm × 長さ200 mm |
| 出力コネクター | XLR 3 F |
| 等価雑音レベル(CCIR) | 26/23/25 dB(無指向/単一指向/双指向) |
| S/N比(A特性、94 dB SPL基準) | 79/82/80 dB(無指向/単一指向/双指向) |
| S/N比(CCIR、94 dB SPL基準) | 68/71/69 dB(無指向/単一指向/双指向) |
| 定格負荷インピーダンス | 1 kΩ |
| 最大出力電圧 | -6 dBu |
| 品番 | U 87 Ai(ニッケル)007022/U 87 Ai mt(ブラック)007023 |
| 構造 | 二重振動板のコンデンサーカプセル、FETヘッドアンプ、トランス平衡出力 |
入っているもの・動作環境
- 単体モデル:マイク本体と木箱
- Studio Set:マイク、ショックマウント EA 87、木箱
- Stereo Set:マイク2本、ショックマウント2個、ダストカバー2個、アルミケース
- 色はニッケルとブラック(つや消し)の2種類
- 別売の周辺品:ポップスクリーン(PS 15、PS 20 aなど)など。ファンタム電源(P48)を出せるマイクプリアンプかインターフェースが別に必要
- Studio Set(008660):マイク、EA 87ショックマウント、EA 87 Ai木箱、段ボール梱包
- Stereo Set(008505):マイク2本、EA 87ショックマウント2個、ダストカバー2個、アルミケース
- ブラック(mt)版のセットには、ブラック用のEA 87 mtショックマウントが入る
使い方
- マイクを、XLRケーブルでオーディオインターフェースやマイクプリアンプのマイク入力につなぎます。
- インターフェース側でファンタム電源(+48 V)をオンにします。コンデンサーマイクなので電源がないと動きません。
- 録る音源に合わせて、本体の指向性スイッチを選びます。1人で歌うなら単一指向、部屋の響きも入れたいなら無指向、向かい合う2人なら双指向が目安です。
- 声や音が大きすぎて入力が歪むときは、パッドのスイッチを入れます。
- 机の振動や空調の低い音が気になるときは、ローカットのスイッチを入れます。
- ショックマウント(EA 87)やポップスクリーンをスタンドに取り付け、口元から少し離して置きます。
- インターフェースのゲインを上げ、実際に声や楽器を出しながら入力レベルを確かめて録音を始めます。
- ステレオ録音(ピアノなど)をするときは、同じ型のマイク2本が入ったStereo Setが向いているかもしれません。2本とも同じ指向性に合わせて使います。
- マイクの電源は、インターフェースのファンタム電源(P48、48 V)から取ります。消費電流は0.8 mAです。
ボーカル録音
歌の録音では、単一指向で口元に向け、ポップスクリーンを組み合わせる使い方が合うかもしれません。メーカーも歌手向けの用途を最初に挙げています。大きな声のときはパッドが役立つかもしれません。
ナレーション・オーディオブック
ボイスオーバーや吹き替え、オーディオブックは公式ページでも用途として挙げられています。ローカットを使えば、部屋の低い雑音を抑えた録音にしやすいかもしれません。
アコースティックギターやピアノ
指向性を切り替えられるので、近くで狙うか、無指向で部屋の響きも入れるかを試せるかもしれません。ピアノはステレオペアが使われる例として公式に書かれています。
ドラムのオーバーヘッドやアンプ録り
公式ページでは、ドラムの上から録る使い方や、ベース・ギターのキャビネットの前に置く使い方も紹介されています。大音量ではパッドを併用すると扱いやすいかもしれません。
ピアノのステレオ録り
公式ページで、ピアノのステレオ録音が用途のひとつに挙がっています。2本組のStereo Setを使えば、左右の広がりを録る使い方ができるかもしれません。
ナレーションや吹き替え
ボイスオーバー、吹き替え、オーディオブックの収録が公式の用途に挙がっています。単一指向にして、ポップスクリーンを組み合わせる使い方が合うかもしれません。
ドラムのオーバーヘッドや楽器のスポット録り
ドラムのオーバーヘッド、ベースやギターのキャビネット、チェロなどのソロ楽器の近接録りも公式の用途です。パッドを入れれば大きな音量にも対応しやすくなります。
こんな人におすすめ
- 歌や語りを、1本のコンデンサーマイクでしっかり録りたい人に向くかもしれません。
- 指向性を切り替えて、近くで録る方法と部屋の響きを入れる方法を試したい人に向くかもしれません。
- ボーカルだけでなく、ギターやピアノなど複数の楽器にも1本で対応したい人に向くかもしれません。
- XLRとファンタム電源に対応した機材(インターフェース)をすでに持っている人に向くかもしれません。
使う前に知っておきたい点
- ファンタム電源(P48)が必要です。USBでは使えないので、XLR入力とファンタム電源のあるオーディオインターフェースやマイクプリアンプが要ります。
- 単体モデルにはショックマウントが含まれません(Studio Setには含まれます)。ポップスクリーンも別売です。
- 重さは500 gあるので、しっかりしたマイクスタンドやブームアームを選ぶと安心です。
- 販売店ごとに価格が違うので、購入前に各店で確認してください。
- 本ページの内容は公式ページの仕様と説明に基づきます。音の印象は、実際に聴いて確かめるのがおすすめです。
- 公式ページには、アメリカ・カリフォルニア州の化学物質に関する注意書きが載っています。
- Ikebe Musicの販売ページでは、日本国内正規品として3年保証が付くStudio Setが案内されています。保証は日本国内でのみ有効で、100 V仕様の日本市場向け製品とあります。購入前に各店で保証条件を確認してください。
- 製品ダウンロード(Neumann File Finder)は、公式サイトから探せます。
似た製品との違い
どちらがよいかは決めず、公式ページの数字を並べています。
Neumann TLM 103
U 87 Aiは3指向性、ローカット・パッド付き、最大SPL 117 dB(パッド時127 dB)、等価雑音12 dB-A(単一指向)、重さ500 gです。TLM 103は単一指向のみで、最大SPL 138 dB、等価雑音7 dB-A、重さ約450 gです(いずれもNeumann公式の数字)。
価格
価格は、公式ページでご確認ください。
メーカー公式ページに価格の表示がありません。販売店ごとに価格が異なります。
出典:neumann.com global.ikebe-gakki.com(2026-10-27確認)

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