ボーカルのリバーブ・ディレイのかけ方|歌ってみたで声をなじませる基本

ボーカルのリバーブ・ディレイのかけ方|歌ってみたで声をなじませる基本

リバーブは、声に「部屋の響き」を足す効果です。ディレイは、声を少し遅れて繰り返す効果です。歌ってみたでは、録った声が「ドライ」(響きがない音)のままだと、オケから浮いて聞こえることがあります。リバーブやディレイで響きを足すと、声がオケになじみます。この記事では、ボーカルのリバーブとディレイの基本を、かけ方から順番に解説します。

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目次

この記事の要点

  • リバーブは、ボーカルのトラックに直接かけず、別のトラック(センド)にかけるのが基本です。
  • プリディレイと、リバーブへのEQで、声がぼやけるのを防ぎます。
  • 曲が混んでいるときは、リバーブよりディレイのほうが場所を取りません。
  • 響きの量は、少しずつ足します。

リバーブとディレイの違いの図
図:SoundBounty

センド(別トラック)でかけるのが基本

リバーブは、ボーカルのトラックに直接かけるより、別のトラック(補助トラック)にかけて、ボーカルから信号を送る方法が、よく使われます。FabFilterは、この方法について、次の2つの利点を挙げています。

  • 響きと元の音の混ぜ具合を、細かく調整しやすい。
  • 複数のトラックが、同じリバーブを使えるので、パソコンの負荷(メモリやCPU)が軽くなる。

この方法では、補助トラックのリバーブを、響きだけ(ウェット100%)にします。そして、ボーカルのトラックからの「送る量」で、響きの量を決めます。全体で同じリバーブを少しずつ使うと、ミックスにまとまりが出ます。

ただし、リバーブは、ミックスの中で場所を取ります。FabFilterは、たくさんのトラックから、たくさんのリバーブに送ると、ミックスがにごって不明瞭になりやすいと注意しています。多くの場合は、リバーブをはっきり聞かせるのではなく、「あることがほんのり分かる」くらいに支える使い方が向いています。

出典:FabFilter Learn

リバーブの選び方

リバーブの主なつまみが「ディケイ」(響きが消えるまでの時間)です。ディケイが短いと小さな空間、長いと大きな空間の響きになります。

どれくらいの長さが合うかは、曲によって変わります。FabFilterは、曲に合わせた長さを勧めています。音数が少なく、テンポが遅い曲には、長めの響きが合います。音が多くてテンポの速い曲には、短い響きのほうが場所を見つけやすくなります。

  • バラードなど、すき間の多い曲:長めの響き(ホール、プレートなど)が合いやすい。
  • アップテンポ、音が多い曲:短めの響き(ルームなど)のほうが、声がぼやけにくい。

ここでの区分は、FabFilterの説明を、歌ってみたに当てはめた考え方です。どちらが合うかは、最後に、オケと一緒に聞いて決めてください。

出典:FabFilter Learn

声をぼやけさせないコツ

プリディレイで、声と響きを少しはなす

プリディレイは、元の音から、響きが始まるまでの遅れです。FabFilterは、少しのプリディレイで、元の音と響きの間にすき間ができ、2つがぶつかりにくくなって、響きがすっきり聞こえると説明しています。プリディレイを増やすと、元の音が近くに聞こえる効果もあります。曲のテンポに合わせた設定も、よく使われる方法です。

リバーブの響きを、EQで整える

リバーブの響きには、EQをかける方法がよく使われます。ごく低い音とごく高い音の領域は、ボーカルやベース、ドラムなど、前に出す音のために空けておくことが多くなります。リバーブにその帯域が多く残ると、ミックスがごちゃつきやすくなります。リバーブの前(または後)にEQを置いて、不要な低音と高音を削ります。削る周波数は、フィルターの効きがはっきり聞こえる点を見つけて、そこから少し戻すと決めやすいです。

響きの量は、少しずつ足す

最初は、響きを足しすぎないことが大切です。ボーカルだけで聞くと、足りなく感じやすいので、オケと一緒に聞きながら、「あとから消すと、少し寂しく感じる」くらいで止めると、ぼやけにくくなります。

出典:FabFilter Learn

公式動画:FabFilter公式YouTubeチャンネル「Introduction to FabFilter Timeless 3」(英語の解説) YouTubeで見る

ディレイのかけ方

FabFilterは、リバーブが場所を取るため、場合によっては、ディレイで同じような広がりを作るほうがよいと説明しています。たとえば、長くてふわっとしたリバーブがほしくても、音の多い曲では、リバーブの大部分が、ほかの音に隠れて、ミックスをごちゃつかせるだけになることがあります。そんなときは、ピンポンディレイ(左右に交互に跳ね返るディレイ)が使えます。フィードバック(繰り返しの量)をほどよく入れると、場所を取らずに、大きな空間のような感じを作れます。

コツは、「ディレイに聞こえないようにする」ことです。声が自然な空間から戻ってくるように聞こえるよう、ディレイの間隔を、曲のテンポに合わせると、ディレイだと気づかれにくくなります。

ディレイも、リバーブと同じく、別のトラックにかけて、送る量で調整する方法がよく使われます。

出典:FabFilter Learn

よくある質問

Q. リバーブとディレイはどちらを使えばいい?

どちらか1つを選ぶ必要はありません。曲が混んでいるときはディレイ、曲にすき間があるときはリバーブ、というのが、1つの考え方です。両方を少しずつ使う方法もあります。

Q. 録音のときにリバーブをかけてもいい?

録音のときにかけた響きは、あとから取り除けません。ミックスで調整できるように、録音は響きのない状態で録るのが一般的です。録音中に、歌いやすいように、モニターにだけ響きをかける方法もあります。

Q. おすすめのリバーブ・ディレイは?

公式情報で点数化した比較を「リバーブプラグインのおすすめ比較」「ディレイプラグインのおすすめ比較」にまとめています。

Q. 具体的な数字の決まりはありますか?

ディケイの長さや、プリディレイの時間は、曲のテンポや雰囲気によって変わるので、メーカーの資料にも、ボーカル用の決まった値は示されていません。聞きながら決めてください。

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