DMG AudioのEQプラグイン「EQuilibrium」は、最大32バンド、リニアフェイズ(音のタイミングのずれを出さない方式)を含む位相の選択、名機をモデルにした回路、M/S(真ん中と左右の音を分ける方式)・サラウンド対応を備えた、マスタリング向けの高機能EQです。
EQ(イコライザー)は、音の低い・高い成分の量を調整する道具です。こもった声をすっきりさせたり、耳に痛い音を抑えたりするのに使います。
この記事では、EQプラグイン15製品と比べて、目的に対してどれだけ優れているかを3つの項目で評価しています。根拠はメーカー公式の情報です。
※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。価格・セールの情報は記事の確認日時点のもので、変動する場合があります。

図:SoundBounty
結論
EQuilibriumは、EQプラグイン15製品の中でランクAです。ランクはS・A・B・Cの4段階で、Aは上から2番目にあたります。項目ごとの点数(5点満点)を平均すると3.5点です(目的にとって大事な1項目は、2倍の重みをつけた平均です)。
得意なこと
- ステレオ処理(5点):真ん中の歌と左右に広がる伴奏を分けて整えられます。
こんな方にオススメ:ミックスの仕上げやマスタリングで、位相やM/Sまで細かく管理したい人。
EQuilibriumの主な特徴
32バンドと豊富なフィルター
EQuilibriumは最大32バンドのEQで、各バンドをピーク(山)、ハイパス、ローパス、ハイシェルフ、ローシェルフ、ノッチ(狭い帯域を削る)から選べます。Qは0.1から50まで、ゲインは±36dBの範囲で動かせます。ハイパス・ローパスは6dB/octから48dB/octまでの傾きを選べるので、低音の整理や不要な高音のカットを細かく決めたいときに役立ちます。
位相の扱いを選べる
FIRモードでは、リニアフェイズ、アナログ風、ミニマム、ゼロレイテンシーのアナログ風、フリーといった位相の扱いを、バンドごとに選べます。音のタイミングのずれを避けたいマスタリングや、複数のマイクで録った音を重ねたときの位相の崩れを避けたいときに、使い分けられるでしょう。エンジンの負荷は軽いモードから高品質のモードまで切り替えられる、とメーカーは説明しています。
名機の回路を手本にしたモデル
純粋にデジタルらしいきれいなカーブに加えて、歴史的なアナログEQの回路をモデルにしたカーブも選べます。きれいに整えたいときはデジタル、少し色を付けたいときは回路モデル、と同じプラグインの中で切り替えられます。
M/S・左右別・サラウンド
ステレオ音源では、バンドごとに真ん中(Mid)、両端(Side)、全体を処理できます。左右を別々にEQするL/Rモードや、DTS 7.1までのサラウンドにも対応しています。ステレオの広がりだけを整えたい、といったマスタリング寄りの調整をしたいときに便利です。
見やすい解析と自由な画面
1/3オクターブ・1/12オクターブ・スペクトログラフなどの解析表示や、変えたい周波数を探すAutolistenモード、K-メーターのような表示を選べます。画面の構成は設定ウィザードで自分の作業に合わせて組み替えられるとメーカーは説明しています。
公式動画:DMGAudio公式YouTubeチャンネル「Introducing DMGAudio EQuilibrium」(英語) YouTubeで見る
こんな場面で役立ちます
- 歌ってみたの完成した2ミックスに、位相を崩さないEQで最後の味付けをする
- 重なったギターのトラックの位相のずれを避けながら、低音を整理する
- ステレオの広がり(Side)だけを少し持ち上げて、ミックスに広がりを足す
項目ごとの評価
問題の帯域への対処:3点/5点
こもった音や耳に痛い音など、気になる音だけを狙って直せるかを見ています。
最大32バンドで、リニアフェイズ(位相のずれを出さない処理)やゼロレイテンシーなど位相の扱いを選べる静的なEQです。
手早さ:3点/5点
ちょうどいい設定に早くたどり着ける仕組み(自動の設定・お手本の音に合わせる機能など)があるかを見ています。
高解像度のスペクトラムアナライザーと、周波数を探しやすいAutolistenモードがあります。
ステレオ処理:5点/5点
真ん中の音(歌など)と左右に広がる音を分けて調整できるかを見ています。
M/S(Mid・Side・全体を選べます)、L/R(左右別)、DTS 7.1までのサラウンドの処理に対応しています。
点数の付け方(EQプラグイン)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 問題の帯域への対処 | こもり・耳に痛い音などを狙って抑える力 | ダイナミックEQに加え、帯域の中の特定の周波数だけに反応する処理がある | ダイナミックEQ(音量に応じてかかる)か、アタックと伸びる音を分けて処理できる | バンド数が多い、またはリニアフェイズなど処理の質を選べる静的なEQ | 少ないバンドの静的なEQ | — |
| 手早さ | 設定を速く決める仕組み | AIが音に合わせてバランスを自動で整え、トラック間のかぶりも減らせる | 自動のEQ設定かEQマッチに加え、ほかの補助がある | EQマッチなど、補助が1つある | アナライザー(音の見える化)のみ | 補助の記載がない |
| ステレオ処理 | 中央と左右の広がりなどを分けて処理できるか | M/S・左右別・サラウンドに対応 | M/Sに加えて、左右別かサラウンドに対応 | M/Sのみ | — | 公式ページに記載がない |
ミックスでボーカルやオケの音のバランスを整えるという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では「問題の帯域への対処」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため点数には含めず、専門誌のレビューを記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
EQuilibriumの対応環境と始め方
| 対応OS | Windows(Vista/7/8/10)/Mac(OS 10.7以降) |
|---|---|
| プラグインの形式 | Windows:VST・VST3・AAX/Mac:VST・VST3・AU・AAX |
| 体験版 | デモ版あり(メールで届くデモライセンス) |
| OBS(配信) | そのまま使えます(VST2の記載あり) |
メーカー公式ページで2026年10月17日に確認しました。配信ソフトOBSでの使い方は「OBSでVST3プラグインを使うには?」で解説しています。
ほかのEQプラグインとの比較
見出しを押すと並べ替えできます。スマホでは表を横にスクロールできます。
| 製品 | ランク平均点 | 問題の帯域への対処 | 手早さ | ステレオ処理 | 無料 | OBS(配信) | 価格(店・確認日) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FabFilterPro-Q 4 | S 4.5 | ダイナミック+スペクトル | EQマッチ+補助 | M/S+サラウンド | — | ○ | ¥34,680 [PB・10月26日確認] |
| soniblesmart:EQ 4 | A 4.0 | ダイナミック | AIで自動補正 | M/S | — | ○ | ¥22,480 [PB・10月26日確認] |
| MeldaProductionMEqualizer | B 2.8 | 6バンド | アナライザー | M/S・左右別・サラウンド | 無料 | ○ | 記載なし |
| MeldaProductionMAutoEqualizer | A 3.8 | リニアフェイズ | 自動EQ+マッチ | M/S・左右別・サラウンド | — | ○ | ¥28,760 [PB・10月26日確認] |
| EventideSplitEQ | A 3.5 | アタック/響き分離 | アナライザー | L/R+M/S | — | ○ | ¥25,300 [PB・10月26日確認] |
| Slate DigitalInfinity EQ 2 | A 3.5 | ダイナミック | アナライザー | M/S+L/R | — | ○ | ¥25,970 [PB・10月26日確認] |
| Tokyo Dawn RecordsTDR Nova | A 3.5 | ダイナミック | アナライザー | M/S+左右別 | 無料 | ○ | 記載なし |
| Universal AudioPultec Passive EQ Collection | C 1.5 | 少ないバンド | 記載なし | 記載なし | — | ×(VST3のみ) | ¥6,815(セール中、通常¥25,970) [PB・10月26日確認] |
| WavesF6 | B 3.0 | ダイナミック | 記載なし | M/S | — | △(Waves公式のStudioRack経由) | ¥6,958(セール中、通常¥25,970) [PB・10月26日確認] |
| Plugin Alliancebx_digital V3 | A 3.8 | ダイナミック | Auto-Solo | M/S+左右別 | — | ○ | ¥10,299 [PB・10月26日確認] |
| Tokyo Dawn RecordsSlickEQ | C 2.3 | 3バンド | オートゲイン | M/S | 無料 | ○ | 記載なし |
| DMG AudioEQuilibrium | A 3.5 | 32バンド+リニアフェイズ | アナライザー+Autolisten | M/S・左右別・サラウンド | — | ○ | 記載なし |
| SoundtheoryGullfoss | B 2.8 | 自動で音の山谷を調整 | 自動EQ+サイドチェイン | 記載なし | — | ○ | $199 [公式・10月26日確認] |
| SonnoxOxford EQ | C 1.5 | 5バンド | 記載なし | 記載なし | — | ×(VST3のみ) | $279.99 [公式・10月26日確認] |
| SonnoxOxford Dynamic EQ | C 2.5 | ダイナミック | 記載なし | 記載なし | — | ×(VST3のみ) | $279.99 [公式・10月26日確認] |
機能は2026年9月25日に各メーカーの公式サイトで確認。価格は購入ボタンの先の販売ページで確認してください。
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