ピッチ補正プラグインは、歌の音程のずれを直すためのソフトです。大きく分けて、歌いながら(再生しながら)自動で音程を合わせる「リアルタイム補正型」と、録音したあとに画面上で1音ずつ直す「グラフ編集型」があります。
歌ってみたでは、自然に仕上げたいならグラフ編集型、ケロケロした効果や配信中の補正ならリアルタイム補正型が向いています。両方を1本でこなせる製品もあります。
この一覧は、ピッチ補正プラグイン15製品を自然な仕上がり・手早さ・リアルタイム補正・ハモリ・複数トラックの4項目で比べたものです。点は「目的に対してどれだけ優れているか」を項目ごとの条件に当てはめて決めていて、根拠はメーカー公式の情報です。価格は点数に含めていません。
※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。価格は確認日時点のもので、変動する場合があります。
目的別のおすすめ
- 自然に仕上げたいなら:Melodyne 5 assistant(ランクA)— ノートごとに揺れ・フォルマント・歯擦音まで整えられるエディションの中で、いちばん手ごろです。
- ハモリが多い歌ってみたなら:Melodyne 5 studio(ランクS)— 複数のボーカルトラックを1画面に並べて、まとめて直せます。予算を抑えるならRePitch Standardも複数トラックに対応しています。
- 配信・かけ録りで使うなら:AutoTune Advanced(ランクB)— 1ms未満のライブレイテンシーモードで、歌いながらの補正に向いています。
- 1本で全部こなしたいなら:AutoTune Pro 11(ランクA)— リアルタイム補正、グラフ編集、ハモリの自動生成まで1本に入っています。
- まず無料で試すなら:MAutoPitch(ランクC)— 自動補正を無料で試せます。
ランクのティアリスト
ランクは、メーカー公式の機能・仕様をもとにした評価で、音質の優劣ではありません。同じ段の中は、点数の高い順です。根拠は評価の付け方にあります。
評価項目ごとのティア表
総合のランクが同じでも、項目ごとに強みは違います。表の見出しを押すと、その項目のランクが高い順に並べ替えられるので、ほしい機能で選ぶときに使ってください。
| 製品 | 総合 | 自然な仕上がり歌を自然に直すための調整の細かさ | 手早さ直す作業を速くする仕組み | リアルタイム補正配信・かけ録りでの使いやすさ | ハモリ・複数トラックハモリやコーラスの扱いやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
CelemonyMelodyne 5 studio | S4.2 | S揺れ・歯擦音まで | Sマクロ+ARA | Cなし | S複数トラック+和音 |
AntaresAutoTune Pro 11 | A4.0 | Aノートごとに調整 | A自動+ARA | A低遅延+MIDI | Aハモリ自動生成 |
CelemonyMelodyne 5 editor | A3.8 | S揺れ・歯擦音まで | Sマクロ+ARA | Cなし | B和音も編集 |
CelemonyMelodyne 5 assistant | A3.6 | S揺れ・歯擦音まで | Sマクロ+ARA | Cなし | CAudio→MIDI |
Synchro ArtsRevoice Pro 5 | A3.6 | Sビブラート・フォルマント・歯擦音まで | BARA+自動マッチング | Cなし | A複数トラックに合わせる |
Synchro ArtsRePitch Standard | A3.4 | A形・フォルマント | Aマクロ+ARA | Cなし | A複数トラック |
CelemonyMelodyne 5 essential | B2.6 | Bピッチとタイミング | Sマクロ+ARA | Cなし | C単音1本ずつ |
AntaresAutoTune Advanced | B2.6 | C速さ・Humanize | B自動補正 | S1ms未満+MIDI | C単音1本ずつ |
Synchro ArtsRePitch Elements | C2.4 | Bピッチとタイミング | Aマクロ+ARA | Cなし | C単音1本ずつ |
WavesWaves Tune Real-Time | C2.4 | C自動のみ | B自動補正 | A超低遅延+MIDI | C単音1本ずつ |
AntaresAutoTune | C2.2 | C速さ・Humanize | B自動補正 | B低遅延 | C単音1本ずつ |
WavesWaves Tune | C2.0 | Bピッチとビブラート | C手作業中心 | Cなし | C単音1本ずつ |
Auburn SoundsGraillon 3 | C2.0 | C自動のみ | B自動補正 | Cリアルタイム | C単音1本ずつ |
MeldaProductionMAutoPitch | C1.6 | C自動のみ | B自動補正 | Cリアルタイム | C単音1本ずつ |
SoundtoysLittle AlterBoy | C1.6 | C効果向け | B自動補正 | Cリアルタイム+MIDI | C単音1本ずつ |
列の見出しを押すと、その項目で並べ替えられます(もう一度押すと逆順)。各マスは、その項目の点(1〜5点)を、5点=S・4点=A・3点=B・2点以下=Cで表したものです。「—」は点のない項目です。メーカー公式の機能・仕様での評価で、音質の優劣ではありません。点の付け方は評価の付け方にあります。
点数順の主な製品
Melodyne 5ランクS
AutoTuneランクA
Revoice Pro 5ランクA
RePitchランクA
Waves Tune Real-TimeランクC
Waves TuneランクC
Graillon 3ランクC
MAutoPitchランクC
Little AlterBoyランクC
この比較で点数が高い順に、最大9製品(シリーズは1つにまとめています)を並べています。画像はメーカー公式のプレス用画像で、ない製品は製品名のカードを表示しています。全体の順位とランクの根拠は、下のティア表と各製品のページにあります。
無料ではじめるピッチ補正プラグイン
お金をかけずに試したい方や、はじめての1本を探している方は、無料で使える製品から始められます。無料の範囲や条件は、各製品のページで確認してください。
- Graillon 3(ランクC・無料):無料で、ハードチューン風から自然な補正までのリアルタイム補正を試してみたい人。
- MAutoPitch(ランクC・無料):まずは無料で自動ピッチ補正を試してみたい人。
ピッチ補正プラグインの選び方

図:SoundBounty
録ったあとに直すか、録りながら直すか
ピッチ補正には、録音したあとにノート(音符)ごとに直すタイプと、歌っているそばからリアルタイムで自動補正するタイプがあります。歌ってみたで自然に仕上げたいなら前者、ケロケロした「オートチューン声」や配信でのリアルタイム補正が目的なら後者が向いています。
自然さをどこまで整えたいか
音程を合わせるだけなら入門エディションで足ります。ビブラートの深さや、音程を変えたときの声の太さ(フォルマント)まで整えたい場合は、それができるエディションを選んでください。上位ほど直せる範囲が広がりますが、使わない機能のために高いものを買う必要はありません。
DAWとの連携(ARA)
ARAに対応したDAWとプラグインの組み合わせなら、録音をいちいち取り込み直さずに、DAWの画面の中で直接修正できます。作業が速くなるので、使っているDAWが対応しているかを確認しておくと安心です。
ハモリも直すか
ハモリやコーラスを何本も重ねる場合は、複数のトラックを並べて一緒に直せるものが便利です。1本ずつ直すタイプでも作業はできますが、トラック同士の音程やタイミングを見比べにくくなります。
使い方は「歌ってみたMIXのプラグインの順番」、「DAWの選び方(ピッチ編集を内蔵したDAW)」で解説しています。
製品ごとのひとこと
Melodyne 5(Melodyne 5 essential B・Melodyne 5 assistant A・Melodyne 5 editor A・Melodyne 5 studio S)
Celemonyの「Melodyne 5」は、録った歌の音程やタイミングを、ノート(音符)ごとに直せるピッチ補正ソフトです。essential・assistant・editor・studioの4つのエディションがあり、上のエディションほど直せる範囲が広がります。

画像:Celemony公式の報道・販売店向け素材より
AutoTune(AutoTune C・AutoTune Advanced B・AutoTune Pro 11 A)
Antaresの「AutoTune」は、歌の音程をリアルタイムで自動補正するピッチ補正プラグインです。AutoTune・AutoTune Advanced・AutoTune Pro 11のエディションがあり、エディションによって使える機能が違います。

画像:Antares公式プレスキットより
Revoice Pro 5(ランクA)
ボーカルの音程・タイミングを直し、ダブリング(声の重ね)まで作れるSynchro Artsの制作向けソフトです。音程を揃えるSmartPitchや、別のテイクから音程・タイミング・ビブラートを写す自動マッチングがあります。メインとコーラスのタイミング・音程をそろえて、ボーカルを何本も重ねる曲を作る人に向いています。
RePitch(RePitch Elements C・RePitch Standard A)
Synchro Artsの「RePitch」は、DAWの中で歌の音程とタイミングを直すピッチ補正プラグインです。ElementsとStandardの2つのエディションがあります。

画像:Synchro Arts公式サイトの製品画像より
Waves Tune Real-Time(ランクC)
歌いながら(再生しながら)音程を自動で合わせるWavesのリアルタイム・ピッチ補正です。メーカーは、超低遅延で、フォルマントの補正やビブラートの補正、MIDIでの音程指定ができると説明しています。録音中やライブで、歌いながら音程を補正したい人。自然な補正からハードチューンまでを手早く使いたい人に向いています。
Waves Tune(ランクC)
録った歌の音程を画面で直すWavesのピッチ補正です。スライドを含む音程の細かい調整、43のスケールへの合わせ込み、補正の速さの設定、ビブラートの調整ができるとメーカーは説明しています。録音したあとに、音程をグラフで見ながら直したい人。ハードチューン風の効果も作りたい人に向いています。
Graillon 3(ランクC)
歌いながら音程を補正したり、声の高さやフォルマント(声のキャラクター)を変えたりできる、Auburn Soundsのライブ向けボイスチェンジャーです。無料版でもピッチ補正とピッチシフトが使えます。無料で、ハードチューン風から自然な補正までのリアルタイム補正を試してみたい人に向いています。
MAutoPitch(ランクC)
歌や単音の楽器を自動で補正する無料のプラグインです。フォルマントシフトやステレオを広げる機能も入っています。まずは無料で自動ピッチ補正を試してみたい人に向いています。

Little AlterBoy(ランクC)
声の高さとフォルマント(声の性別感)をリアルタイムに変えられるSoundtoysのボイスエフェクトです。ハードチューン風の効果、ロボットボイス、MIDIで音程を操るボコーダー風の効果も作れます。ハードチューン風や声質の変化など、効果としての声の加工を手軽に作りたい人に向いています。
よくある質問
Q. 無料のピッチ補正はありますか?
この比較の中では、MeldaProductionのMAutoPitchが無料です。自動補正が中心で、ノートごとの細かい修正はできません。まず無料で試し、足りなくなったら有料のものを検討するのがおすすめです。
Q. MelodyneとAutoTuneはどちらがいい?
得意なことが違います。Melodyneは録音後にノートごとに細かく直すのが得意で、AutoTuneはリアルタイムの自動補正が得意です。歌ってみたの自然な仕上げならMelodyne、エフェクトとしての補正や配信ならAutoTuneが選ばれやすいです。
Q. ピッチ補正をかけると不自然になりませんか?
補正を強くしすぎると、声がロボットのように聞こえることがあります。補正の速さや量を控えめにする、ビブラートを残すなど、調整できる製品を選び、少しずつかけるのが基本です。
点数の付け方
点数の付け方(ピッチ補正プラグイン)
| 項目 | 使う数値 | 5点 | 4点 | 3点 | 2点 | 1点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自然な仕上がり | 歌を自然に直すための調整の細かさ | ノートごとに揺れ・ビブラート・フォルマント・歯擦音まで整えられる | ノートごとにビブラートやフォルマントを整えられる | ノートごとにピッチとタイミングを直せる | 自動補正のかかり具合(速さなど)で調整できる | 自動補正のみで、自然さの調整手段の説明がない |
| 手早さ | 直す作業を速くする仕組み | 自動マクロ・ARA・キーやコードの検出がそろっている | 自動補正(マクロ)とARAがある | 自動補正かARAのどちらかがある | 手作業が中心 | — |
| リアルタイム補正 | 配信・かけ録りでの使いやすさ | 1ms未満などの超低遅延モードとMIDIでの音程指定がある | 低遅延のリアルタイム補正とMIDIでの音程指定がある | 低遅延のリアルタイム補正がある | リアルタイム補正はあるが低遅延の記載がない | リアルタイム補正がない(録音後に直すタイプ) |
| ハモリ・複数トラック | ハモリやコーラスの扱いやすさ | 複数トラックを並べて編集でき、和音の中の音も直せる | 複数トラックを並べて編集できる、またはハモリを自動で作れる | 和音の中の音を直せる(1トラックずつ) | 単音のみだが、歌をMIDIにするなどの補助がある | 単音のトラックを1本ずつ直す |
歌ってみたのボーカルを直すという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では、歌ってみたでいちばん大事な「自然な仕上がり」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため、点数には含めていません。専門誌のレビューは記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。
点数とランクの考え方は「評価の付け方」にまとめています。製品は順に追加していきます。
ほかのジャンルも比べる
無料の製品を探している方へ
このジャンルの、無料の製品を扱ったページです。












Revoice Pro 5ランクA