EventideのEQプラグイン「SplitEQ」の特徴と評価

EventideのEQプラグイン「SplitEQ」の特徴と評価

EventideのEQプラグイン「SplitEQ」は、音を「アタック(トランジェント)」と「伸びる音(トーナル)」に分けて、それぞれに別のEQをかけられる製品です。L/R・M/S(真ん中と左右の音を分ける方式)のパンニングもそれぞれ設定できます。

EQ(イコライザー)は、音の低い・高い成分の量を調整する道具です。こもった声をすっきりさせたり、耳に痛い音を抑えたりするのに使います。

この記事では、EQプラグイン15製品と比べて、目的に対してどれだけ優れているかを3つの項目で評価しています。根拠はメーカー公式の情報です。

※本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。価格・セールの情報は記事の確認日時点のもので、変動する場合があります。

Eventide SplitEQ
Eventide / EQプラグイン
SplitEQ
AランクA(S・A・B・Cの4段階で上から2番目)
点数 3.5/5点(比べた15製品の平均は3.1点)
→ 全体を見る
仕様の最終確認日
2026/09/25
問題の帯域への対処
アタック/響き分離
手早さ
アナライザー
ステレオ処理
L/R+M/S
価格(店・確認日)
¥25,300 [PB・10月26日確認]

画像:Eventide公式プレスキットより

目次

結論

SplitEQは、EQプラグイン15製品の中でランクAです。ランクはS・A・B・Cの4段階で、Aは上から2番目にあたります。項目ごとの点数(5点満点)を平均すると3.5点です(目的にとって大事な1項目は、2倍の重みをつけた平均です)。

得意なこと

  • 問題の帯域への対処(4点):気になる音だけを狙って抑える仕組みがあり、問題のある音をピンポイントで直しやすいです。
  • ステレオ処理(4点):真ん中の歌と左右に広がる伴奏を分けて整えられます。

注意したいこと

  • 手早さ(2点):設定は自分の耳で決める必要があります。

こんな方にオススメ:歯擦音やアタック(音の出だし)だけを抑える、響きだけを持ち上げるなど、ふつうのEQではできない処理をしたい人。

SplitEQの主な特徴

音の「出だし」と「伸び」を分けてEQできる

SplitEQの一番の特長で、Eventide独自の技術(Structural Split、特許取得)で、音を「出だしの鋭い部分(トランジェント)」と「伸びて響く部分(トーナル)」の2つに分けて、それぞれ別のEQをかけられます。出だし側には口の破裂音・歯擦音・アタック、伸び側には伸ばした音・倍音・響きが入ります。たとえば歌の「サ行」だけを抑えて声の明るさは残す、キックの余計なこもりを消して打った瞬間の力強さは残す、といったふつうのEQでは両立しにくい処理ができます。

8バンドのEQと、出だし・伸びごとの定位

8バンドのパラメトリックEQで、フィルターの形は山型・ノッチ・棚型・ハイパス・ローパスなどから選べます。さらにバンドごとに、出だしと伸びの音を左右や真ん中/左右(Mid/Side)の別々の位置に置けるので、モノラルの音を広げるといった使い方もできます。

分けた音を別々に表示・試聴できる

アナライザーに出だしの音と伸びの音を分けて表示でき、出だしだけ・1つのバンドだけを取り出して聞くこともできます。どこに問題があるのかを、耳と目の両方で探しやすくなっています。

失敗した録音の修復にも使える150以上のプリセット

Enhance(強調)・Repair(修復)・Rebalance(バランス調整)・Widen(広げる)の目的別に、150以上のプリセットが入っています。公式ページによると、わざと悪い条件で録った素材で作った修復用のプリセットもあります。どこから手を付けるか迷ったときの出発点になります。

こんな場面で役立ちます

  • ボーカルの明るさを残したまま、「サ行」や口の破裂音だけを抑える
  • キックやスネアの響きのこもりを取りつつ、打った瞬間の力強さを残す
  • アコースティックギターの倍音を持ち上げながら、弦の雑音は抑える

項目ごとの評価

問題の帯域への対処:4点/5点

こもった音や耳に痛い音など、気になる音だけを狙って直せるかを見ています。

音をアタック(トランジェント)と伸びる音(トーナル)に分けてEQできるので、歯擦音や吹かれなどアタック側の問題だけを抑えられます。

手早さ:2点/5点

ちょうどいい設定に早くたどり着ける仕組み(自動の設定・お手本の音に合わせる機能など)があるかを見ています。

2つの成分を別々に表示するアナライザーがあります。自動設定はありません。

「手早さ」を重視するなら、smart:EQ 4(5点)が向いています。

ステレオ処理:4点/5点

真ん中の音(歌など)と左右に広がる音を分けて調整できるかを見ています。

左右別とMid/Sideのパンニングに対応しています。

12345問題の帯域への対処4点手早さ2点ステレオ処理4点
SplitEQ15製品の平均
問題の帯域への対処
4/5
見ている点こもり・耳に痛い音などを狙って抑える力
この製品アタック/響き分離
手早さ
2/5
見ている点設定を速く決める仕組み
この製品アナライザー
ステレオ処理
4/5
見ている点中央と左右の広がりなどを分けて処理できるか
この製品L/R+M/S
点数の付け方(EQプラグイン)
項目使う数値5点4点3点2点1点
問題の帯域への対処こもり・耳に痛い音などを狙って抑える力ダイナミックEQに加え、帯域の中の特定の周波数だけに反応する処理があるダイナミックEQ(音量に応じてかかる)か、アタックと伸びる音を分けて処理できるバンド数が多い、またはリニアフェイズなど処理の質を選べる静的なEQ少ないバンドの静的なEQ—
手早さ設定を速く決める仕組みAIが音に合わせてバランスを自動で整え、トラック間のかぶりも減らせる自動のEQ設定かEQマッチに加え、ほかの補助があるEQマッチなど、補助が1つあるアナライザー(音の見える化)のみ補助の記載がない
ステレオ処理中央と左右の広がりなどを分けて処理できるかM/S・左右別・サラウンドに対応M/Sに加えて、左右別かサラウンドに対応M/Sのみ—公式ページに記載がない

ミックスでボーカルやオケの音のバランスを整えるという目的に対して、どれだけ優れているかを項目ごとに1〜5点で決めています。点は上の表の条件に当てはめて付け、ランクを出す平均では「問題の帯域への対処」を2倍の重さで数えています。根拠はメーカー公式の情報です。音質やCPU負荷は実際に測っていないため点数には含めず、専門誌のレビューを記事の中で参考として紹介しています。価格は点数に含めません。メーカーや販売店の説明で確認できない機能は、ないものとして点数を付けています。 表の「OBS(配信)」は、配信ソフトOBS Studioで使えるVST2形式が公式ページに書かれているか(○)です。OBSはVST3形式に対応していません。点数には含めていません。

SplitEQの画面・イメージ

SplitEQ
画像:Eventide公式プレスキットより

SplitEQ
画像:Eventide公式プレスキットより

専門誌の評価(参考・点数には含めていません)

海外の音楽制作誌のレビューで挙げられていた主な点を、編集部が要約しました。

Sound On Sound(2022年2月)

  • 直感的に使えて音も良いと評価
  • アタックと伸びる音の境目を素材に合わせて決められる点を評価
  • 修正にも音作りにも、思っている以上に使い道があるとまとめている

出典:Sound On Soundのレビュー(英語)

SplitEQの対応環境と始め方

対応OSWindows/Mac(macOS 10.14以降、Apple シリコン・Intel)
プラグインの形式VST2・VST3・AAX(Windows)、VST2・VST3・AU・AAX(Mac)
そのほかiLokアカウントが必要(USBドングルは不要)
体験版14日間の体験版あり
OBS(配信)そのまま使えます(VST2の記載あり)

メーカー公式ページで2026年9月27日に確認しました。配信ソフトOBSでの使い方は「OBSでVST3プラグインを使うには?」で解説しています。

ほかのEQプラグインとの比較

見出しを押すと並べ替えできます。スマホでは表を横にスクロールできます。

製品ランク平均点問題の帯域への対処手早さステレオ処理無料OBS(配信)価格(店・確認日)
FabFilterPro-Q 4S 4.5ダイナミック+スペクトルEQマッチ+補助M/S+サラウンド—○¥34,680 [PB・10月26日確認]
soniblesmart:EQ 4A 4.0ダイナミックAIで自動補正M/S—○¥22,480 [PB・10月26日確認]
MeldaProductionMEqualizerB 2.86バンドアナライザーM/S・左右別・サラウンド無料○記載なし
MeldaProductionMAutoEqualizerA 3.8リニアフェイズ自動EQ+マッチM/S・左右別・サラウンド—○¥28,760 [PB・10月26日確認]
EventideSplitEQA 3.5アタック/響き分離アナライザーL/R+M/S—○¥25,300 [PB・10月26日確認]
Slate DigitalInfinity EQ 2A 3.5ダイナミックアナライザーM/S+L/R—○¥25,970 [PB・10月26日確認]
Tokyo Dawn RecordsTDR NovaA 3.5ダイナミックアナライザーM/S+左右別無料○記載なし
Universal AudioPultec Passive EQ CollectionC 1.5少ないバンド記載なし記載なし—×(VST3のみ)¥6,815(セール中、通常¥25,970) [PB・10月26日確認]
WavesF6B 3.0ダイナミック記載なしM/S—△(Waves公式のStudioRack経由)¥6,958(セール中、通常¥25,970) [PB・10月26日確認]
Plugin Alliancebx_digital V3A 3.8ダイナミックAuto-SoloM/S+左右別—○¥10,299 [PB・10月26日確認]
Tokyo Dawn RecordsSlickEQC 2.33バンドオートゲインM/S無料○記載なし
DMG AudioEQuilibriumA 3.532バンド+リニアフェイズアナライザー+AutolistenM/S・左右別・サラウンド—○記載なし
SoundtheoryGullfossB 2.8自動で音の山谷を調整自動EQ+サイドチェイン記載なし—○$199 [公式・10月26日確認]
SonnoxOxford EQC 1.55バンド記載なし記載なし—×(VST3のみ)$279.99 [公式・10月26日確認]
SonnoxOxford Dynamic EQC 2.5ダイナミック記載なし記載なし—×(VST3のみ)$279.99 [公式・10月26日確認]

機能は2026年9月25日に各メーカーの公式サイトで確認。価格は購入ボタンの先の販売ページで確認してください。

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