歌ってみたの録音で、マイクとの距離は、音に大きく影響します。近づきすぎるとこもり、離れすぎると声が遠くなります。この記事では、マイクの距離の目安と、ポップガード(ポップフィルター)の役目、距離を一定に保つコツを、メーカーの公式情報をもとに解説します。
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この記事の要点
- スタジオでの歌の録音は、口から10〜20cmが、出発点の目安です(Shure)。
- マイクに近づくと、低音が強くなります。この現象を「近接効果」と呼びます。
- ポップガードは、「パ行」「バ行」の息のノイズ(吹かれ)を減らします。
- 距離は、歌っている間、できるだけ一定に保ちます。
- マイクを少し下に置くと、「サ行」の刺さりが減ることがあります。
マイクと口の距離の目安

図:SoundBounty
Shureは、ボーカルのスタジオ録音では、マイクから口までを、10〜20cm(4〜8インチ)にするのが、出発点として良い、と説明しています。また、スタジオの歌は、6〜12インチ(約15〜30cm)で録られることが多いとも書かれています。
手で測る目安もあります。Shureは、バックコーラスのような歌では、指2本から4本分(約4〜8cm)を目安として挙げています。小さな声で歌う曲では、指1本分以下まで近づける、とも説明されています。
これは目安です。声の大きさ、マイクの種類、曲の雰囲気で、ちょうどいい距離は変わります。録ってみて、聞き比べながら決めてください。
出典:Shure公式
近づきすぎると起きること:近接効果
近接効果は、マイクに口を近づけたときに、低音が強くなる現象です。Shureは、声や楽器が、マイクにごく近いときの、ずっしりした低音の多い音だと説明しています。数センチ以内で、特に強くなります。
指向性(音を拾う向き)が単一指向性のマイクでは、特に気をつける、とも書かれています。近づくほど、こもったように聞こえやすくなります。
逆に、離れすぎると、声が遠くなり、部屋の響きも入りやすくなります。ちょうどいい距離を、探してください。
出典:Shure公式
声の大きさで距離を変える
Shureは、歌い手が、小さな声のときはマイクに近づき、大きな声のときは離れる動きが、必要だと説明しています。マイクに近すぎると、聞き取りやすさが下がることもあります。
ただし、距離が急に変わると、音色や音量、バランスが変わって、ミックスしにくくなります。Shureは、歌っている間、距離を一定に保つことを勧めています。
- 声が大きくなるサビでは、少し離れる。
- 声が小さくなる部分では、少し近づく。
- 体を大きく動かさず、一定の姿勢で歌う。
この動きの調整が難しいと感じたら、コンプで音量をそろえる方法もあります。「ボーカルのコンプの使い方」をご覧ください。
出典:Shure公式
ポップガード(ポップフィルター)
「パ行」「バ行」を発音するときの息が、マイクに当たると、「ボフッ」というノイズが入ります。これを、ポップノイズ(吹かれ)と呼びます。
ポップガード(ポップフィルター)は、このノイズを減らすための道具です。マイクの正面に置いて、息の勢いを抑えます。Shureも、ポップフィルターで、「P」や「B」の破裂音を減らすことを勧めています。
オーディオテクニカは、ポップフィルターには、唾や湿気からマイクを守る役割もあると説明しています。特に湿気に弱いコンデンサーマイクでは、役に立ちます。
ノイズの原因の見分け方は「歌ってみたの録音にノイズが入る原因と対策」で解説しています。
マイクの向きと、サ行の刺さり
Shureは、マイクを、歌い手の口の真正面から、少し下にずらして置くと、強すぎる歯擦音(サ行の刺さり)を減らせることがある、と説明しています。真正面を避けると、「パ行」の息も、当たりにくくなります。
それでも、サ行が刺さるときは、ミックスで抑える方法があります。「ボーカルのディエッサーの使い方」をご覧ください。
出典:Shure公式
ショックマウントと部屋の響き
オーディオテクニカは、ショックマウントを、机の揺れやスタンドの接触音など、マイクに伝わる振動を抑えて、ノイズの少ない録音を助ける道具だと説明しています。
また、Shureは、コンデンサーマイクは感度が高く、部屋の反射音も拾うと説明しています。録音環境の整え方は「宅録の吸音・反響対策ガイド」で解説しています。
録音前のチェックリスト
- マイクを、口から10〜20cmくらいに置く。
- マイクとの間に、ポップガードを置く。
- マイクを、口の真正面から少しずらす。
- ショックマウントで、振動を減らす。
- 少し歌って、聞き返す。こもる、遠い、吹かれる、のどれかを確かめる。
- 歌っている間、距離をできるだけ一定にする。
マイクを選ぶ
マイクの選び方は「宅録・歌ってみた用マイクのおすすめ17選」「ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違い」「USBマイクと、XLRマイク+インターフェースの選び方」で解説しています。録音全体の流れは「自宅でのボーカル録音の基本手順」にまとめています。
よくある質問
Q. ポップガードは必ず必要ですか?
必ずではありません。ただし、「パ行」の息が入りやすいので、使うと録音が安定します。内蔵のポップフィルターがあるマイクもあります。
Q. 近づくと、なぜこもるのですか?
近接効果で、低音が強くなるためです。単一指向性のマイクで起きやすい、とShureは説明しています。
Q. 距離は、何cmが正解ですか?
正解の数字はありません。Shureの10〜20cmは、出発点の目安です。録って聞き比べて、決めてください。
Q. 録音のあとで、こもりを直せますか?
EQで、ある程度整えられます。「ボーカルEQのかけ方」をご覧ください。ただし、録音の段階で整えるほうが、あとの作業が楽になります。


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