歌ってみたの歌とオケのバランスの取り方|音量・左右の位置・響きで歌を前に出す

歌ってみたの歌とオケのバランスの取り方|音量・左右の位置・響きで歌を前に出す

歌ってみたのMIXで、歌がオケに埋もれる、または歌だけが浮いて聞こえる。そんな悩みは、歌とオケの「バランス」の問題であることが多いです。この記事では、バランスの取り方を、FabFilter Learnの解説をもとに、順番に解説します。

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目次

この記事の要点

  • バランスは、各パートの音量の比率です。ミックスで、いちばん大きな判断です。
  • 先に、各パートの役割(主役・支え)を決めます。
  • 音量を決める前に、左右の位置(パン)を決めます。
  • 最初は、おおまかなバランスで構いません。完璧を目指さないでください。
  • 音量の変化は、あとでオートメーションで直せます。

バランスとは

ミックスでやる3つのこと(音量のバランス・音の加工・音の配置)の図
図:SoundBounty

FabFilterは、ミックスの基本の動作を3つに分けて説明しています。音量のバランスを取ること、音を加工すること、音の配置(サウンドステージ)を作ることです。

この中で、音量のバランスは、ミックスでいちばん目立つ判断だと説明されています。パートの大きさで、その曲での大切さや、曲の勢いが決まるためです。

歌ってみたでは、主役は歌です。ただ、オケも曲の一部なので、歌の音量だけを上げても、うまくいくとは限りません。

出典:FabFilter Learn

手順1:各パートの役割を決める

まず、曲の中の、各パートの役割を決めます。FabFilterは、いつもすべてのパートが主役になれるわけではない、と説明しています。聞く人の注意を、曲の中でどこへ向けるかを決めるのも、ミックスの役目です。

歌ってみたなら、次のように分けると、考えやすくなります。

  • 主役:歌(メインボーカル)。
  • 準主役:リード楽器、印象的なフレーズ。
  • 支え:ドラム、ベース、コード楽器、ハモリ。

この役割は、あとで音量を決めるときの目安になります。

出典:FabFilter Learn

手順2:左右の位置(パン)を決める

FabFilterは、音量のバランスよりも前に、サウンドステージ(音の配置)を決めることを勧めています。左右の位置は、パンで決めます。

理由は、同じ位置に置いた音どうしが、互いを隠しやすいからです。音の隠し合い(マスキング)は、位置が同じだと起きやすいため、音量のバランスは、左右の位置にも左右されます。

歌は、真ん中に置くのが基本です。ハモリや、重ねた声は、左右に少しずらすと、メインの歌と分けやすくなります。ハモリの作り方は「歌ってみたのハモリ・ダブリングの作り方」で解説しています。

出典:FabFilter Learn

手順3:歌を前に出す処理

FabFilterは、歌を前に出したいときの例として、2つの処理を挙げています。

  • 音の高さの成分のうち、聞き取りやすさに関わる「プレゼンス」の帯域(1.5〜4kHzあたり)に、十分な成分があること。
  • リバーブ(響き)を、多くしすぎないこと。

プレゼンスの帯域は、FabFilterの別の解説で、人の耳がいちばん敏感な帯域で、歌の存在感と聞き取りやすさに効く、と説明されています。EQの使い方は「ボーカルEQのかけ方」、響きの足し方は「ボーカルのリバーブ・ディレイのかけ方」で解説しています。

出典:FabFilter Learn

手順4:おおまかな音量を決める

役割と位置が決まったら、各パートの音量を決めます。FabFilterは、この段階で、完璧を目指さないように、と説明しています。おおまかなバランスで、全体の姿が見えてくれば十分です。

1つのパートを動かすと、ほかのパートの聞こえ方も変わります。そのため、あとで前の判断に戻って、直すことが、ミックスでは普通だと書かれています。

確認の例(編集部の提案です)は、次のとおりです。

  • 歌詞が聞き取れるか、確かめる。
  • オケが寂しく聞こえないか、確かめる。
  • 小さな音量でも、確かめる。

出典:FabFilter Learn

手順5:オートメーションで、ところどころ直す

ここまでで、「静的なミックス」ができます。FabFilterは、静的なミックスでは、曲全体で1つのバランスが、ずっとうまくいかないことがある、と説明しています。たとえば、ドラムがAメロでは良いのに、サビでは大きすぎる。歌がAメロでは良いのに、語尾が消える、といったことです。

こうした問題は、オートメーション(時間とともに音量などを変える機能)で直します。歌の語尾だけ、少し上げる。サビのオケだけ、少し下げる。曲の途中で、バランスを変えることができます。

コンプは、声の大きさを自動でそろえる方法です。「ボーカルのコンプの使い方」をご覧ください。

出典:FabFilter Learn

バランスを確かめる、最後の手順

  1. 歌とオケを一緒に、通して聞く。
  2. 歌詞が、最後まで聞き取れるかを確かめる。
  3. 気になる所には、オートメーションを書く。
  4. 書き出す前に、音量(ラウドネス)を測る。

音量の測り方は「歌ってみたの音量(ラウドネス)の基本」で解説しています。

よくある質問

Q. 歌は、オケより何dB大きくすればよいですか?

決まった数字は、示されていません。曲の雰囲気や、オケの音数で変わるので、聞いて決めてください。

Q. 歌が埋もれるときは、どうすればよいですか?

音量を上げる前に、左右の位置を見直す方法があります。同じ位置の音は、隠し合いやすいためです。また、EQでプレゼンスの帯域を確かめる、響きを減らす、という方法もあります。

Q. 音が隠し合う(マスキング)とは、何ですか?

音が重なって、片方が聞こえにくくなることです。FabFilterは、サウンドステージの同じ位置に置いた音どうしが、互いに隠し合いやすいと説明しています。

Q. 一度決めたバランスは、変えなくてよいですか?

変えて構いません。1つのパートを直すと、ほかのパートの聞こえ方も変わります。FabFilterも、前に決めたことに戻って直すのは、ミックスの普通の流れだと説明しています。

Q. 歌だけで聞いて決めても、よいですか?

歌だけで聞くと、直しすぎやすくなります。オケと一緒に聞いて、決めてください。

Q. 数字で決まった設定はありますか?

曲や声で変わるので、決まった数値は示していません。聞きながら決めてください。

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